2014年7月20日(日)

『剃髪式』刊行記念トークイベント 阿部賢一さん×ペトル・ホリーさん「チェコとビールと本屋とわたし。ボフミル・フラバルに乾杯!」

世界に冠たるビール大国・チェコ。国民1人当たりの年間ビール消費量が150リットルに迫ろうという(もちろん世界1位)この国はまた、優れた作家を多数輩出した文学大国でもあります。そんなチェコの20世紀後半を代表する作家ボフミル・フラバルの『剃髪式』日本語版が、作家の生誕100周年にあたる本年2014年に刊行されました。

『剃髪式』の舞台は、チェコのとあるビール醸造所。じつはフラバル自身の父親がビール醸造所の支配人をつとめていました。「私が育ったのはビール醸造所だった」と述べる筋金入りのビール好き作家が描いたこの小説を読めば、ビールが飲みたくなること請け合いです。「本とビール」が幸せに結びついて生まれた作品、『剃髪式』。その訳者である阿部賢一さんと、前チェコセンター東京所長・現「チェコ蔵」主宰者ペトル・ホリーさんをB&Bに迎えて、トークイベントを開催いたします。

イジー・メンツル監督による映画版『剃髪式』の一部を上映しながら、本とビールを愛し、本とビールに愛されたフラバルの世界へとご案内します。この作家を生んだチェコという国の、さまざまな奥深い魅力にも話題は広がっていくことでしょう。

普段なかなか飲むことができないチェコビールもご用意いたします。ぜひご来場ください。

【プロフィール】

阿部賢一(あべ・けんいち)

1972年、東京生まれ。プラハ・カレル大学、パリ第4大学に留学後、東京外国語大学大学院修了(専攻は中欧文化論、比較文学)。現在、立教大学文学部で教鞭を執りながら、チェコ小説の翻訳をはじめとしてチェコ文化の紹介を精力的に行っている。著書に『バッカナリア 酒と文学の饗宴』(共編著、成文社)、『複数形のプラハ』(人文書院)など。訳書にフラバル『わたしは英国王に給仕した』(河出書房新社)、『剃髪式』(松籟社)、アイヴァス『もうひとつの街』(河出書房新社)、フクス『火葬人』(松籟社)など多数。2013年前半は訳書を毎月のように刊行し、その壮絶な仕事ぶりで各社担当編集者を大いに感嘆させた。

ペトル・ホリー(HOLY, Petr)

1972年、プラハ南西に位置するドブジーシュ市生まれ。プラハ・カレル大学哲学部の日本学科に入学。そのころ日本から送ってもらったビデオで三代目市川猿之助の『義経千本桜』に触れ、歌舞伎の魅力に開眼した。数度の日本留学を経て、早稲田大学大学院にて歌舞伎を研究、博士課程を修了。大学院在学中からシュヴァンクマイエルの映画字幕作成やカレル・チャペックの翻訳監修など、チェコ文化紹介も積極的に行ってきた。早稲田大学第一文学部助手を経て2006年からチェコセンター東京所長を7年間務める。現在は埼玉大学教養学部兼任講師として歌舞伎を講じながら、「チェコ蔵」主宰者として、日本におけるチェコ文化発信に尽力している。

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