2016年5月19日(木)

【満員御礼】『触楽入門』刊行記念トークイベント 世界に「触れる」ための新しい方法

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【満員御礼】となりました。

イベント開催日: 2016年5月19日(木) 19:30〜

目や耳からの情報が中心の現代生活において、忘れられた感覚となっている「触覚/触感」。
その触覚を、科学、テクノロジー、アート等、さまざまな角度から捉えなおし、身体感覚を再考する本、『触楽入門』が刊行されました。

そこで本書の刊行を記念して、同書の著者のひとりで、触覚の基礎科学を研究している仲谷正史さん、同じく著者のひとりで、MITメディアラボから帰国されたばかりの筧康明さん、そして、『目の見えない人は世界をどう見ているのか』(光文社新書)で新しい身体論を展開した伊藤亜紗さんの鼎談を行います。

私たちはついつい目でとらえた世界がすべてだと思い込んでしまいます。本当は、耳でとらえた世界や、手でとらえた世界があってもいいはずです」――美学研究者である伊藤亜紗さんは、目の見えない人の身体のあり方を丁寧に解きほぐしながら、「世界の別の顔」を探求しています。

一方『触楽入門』の著者たちは、テクノロジーを使って「触れること」に新しい価値を与えようとしています。例えば、著者らが開発したテクタイル・ツールキットは、触感を記録し、他者と共有することができる装置です。このツールを使うことで、ふだんは注意を向けない身体感覚をより深く実感する、あるいは、従来の身体感覚を拡張するような体験をつくり出す可能性を探ることができます。

どちらの本も、当たり前だと思っていた「世界の感じ方」を揺さぶり、あらためて捉えなおす本となっています。そこで、この鼎談では、「世界」と「身体」の境界線で起きていることについて、あるいは、新しい感覚の表現やデザイン、テクノロジーについて、お三方にディスカッションしていただきます。体、ダンス、芸術表現、情報化技術(IT)、障がいとバリアフリーなど、さまざまな分野でいま注目を集める「触覚」をめぐるトークセッション、ぜひお越しください!

★『週刊文春』に掲載された伊藤亜紗さんの『触楽入門』書評は、こちらのサイトでお読みいただけます。http://shukan.bunshun.jp/articles/-/5990

★入場料はドリンク付きで1000円です。当日、会場の4F喫茶受付でお支払いくださいませ。
※事前のご予約が必要です。1階サービスコーナーもしくはお電話にてご予約承ります。
※トークは特には整理券、ご予約のお控え等をお渡ししておりません。
※ご予約をキャンセルされる場合、ご連絡をお願い致します。(電話:03-5956-6111)

■イベントに関するお問い合わせ、ご予約は下記へお願いいたします。
ジュンク堂書店池袋本店
TEL 03-5956-6111
東京都豊島区南池袋2-15-5

【講師紹介】

仲谷 正史(なかたに・まさし)
1979年、島根県生まれ。2008年、東京大学大学院情報理工学系研究科博士課程修了。同年、民間企業において触感評価技術の開発に従事。2012年8月より、共同研究先であるアメリカ・コロンビア大学医療センター皮膚科にてPostdoctoral Research Fellow。Fishbone Tactile Illusionを心理学・工学の観点から評価した研究を発展させ、メルケル細胞の生理学研究に従事。教務・学務の傍ら、2007年に立ち上げたテクタイルの活動を通じ、触感デザイン普及にも携わる。共著に『触感をつくる』(岩波科学ライブラリー)、『触楽入門』(朝日出版社)がある。

筧 康明(かけひ・やすあき)
1979年、京都府生まれ。2007年、東京大学大学院学際情報学府博士課程修了。2008年から慶應義塾大学環境情報学部で研究室を立ち上げ、現在同大学准教授。2015年3月からは、マサチューセッツ工科大学メディアラボ訪問准教授。素材特性とデジタル技術を掛け合わせたインタラクティブメディアの開発、およびメディアアート表現を行う。これまでにArs ElectronicaやSIGGRAPHなど国内外の学会、展覧会で研究・作品を発表し、平成26年度科学技術分野の文部科学大臣表彰 若手科学者賞、グッドデザイン・ベスト100など受賞も多数。共著に『触感をつくる』(岩波科学ライブラリー)、『触楽入門』(朝日出版社)がある。

伊藤 亜紗(いとう・あさ)
1979年、東京都生まれ。東京工業大学リベラルアーツ研究教育院准教授。専門は美学、現代アート。もともと生物学者を目指していたが、大学3年次より文系に転向。2010年に東京大学大学院人文社会系研究科基礎文化研究専攻美学芸術学専門分野博士課程を単位取得のうえ退学。同年、博士号を取得(文学)。日本学術振興会特別研究員などを経て2013年より現職。研究のかたわら、アート作品の制作にもたずさわる。主な著作に『ヴァレリーの芸術哲学、あるいは身体の解剖』(水声社)、『目が見えない人は世界をどう見ているのか』(光文社新書)などがある。

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