2016年7月2日(土)

佐藤真監督作品『SELF AND OTHERS』上映会 & 飯沢耕太郎トークイベント

青山ブックセンター

『日常と不在を見つめて ドキュメンタリー映画作家 佐藤真の哲学』(里山社)刊行を記念して、佐藤真監督作品『SELF AND OTHRES』の上映と写真評論家、飯沢耕太郎氏のトークショーを開催します。

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「自己と他者」という、写真が抱える根源的かつ普遍的なテーマと向き合った夭折の写真家、牛腸茂雄。『SELF AND OTHRES』は、関係者インタビューや回想映像を使うことなく、牛腸の写真と撮影地を辿りながら、彼が何を見、考えたのかを捉えた、革新的なドキュメンタリーです。阿賀の川のほとりに住む老人たちの魅力的な日常を撮ることで、その日常に潜む新潟水俣病の闇の深さをあぶり出すように撮った『阿賀に生きる』の佐藤真が、映画作家として新しい境地を拓いた金字塔的作品です。

その佐藤自身の逝去からさらに9年が経った2016年。上映後トークでは、牛腸茂雄再評価の機会を作り、佐藤とも深い関わりのあった飯沢耕太郎氏に、佐藤真自身がこだわった「日常と不在」という視点について、佐藤自身の不在という現実を踏まえ、本作の魅力と、2016年現在に生きる佐藤真的視点とは何かについて語っていただきます。
聞き手:清田麻衣子(里山社)

作品情報

『SELF AND OTHERS』
監督:佐藤真 撮影:田村正毅 声:西島秀俊
2000年 / 53分 / カラー / DVD上映 / ユーロスペース

1983年、3冊の作品集を残し35歳で夭逝した写真家、牛腸茂雄。残された草稿や手紙と写真、肉声をコラージュし、写真家の評伝でも作家論でもない、新しい映像のイメージを提示する。

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監督:佐藤真
1957年、青森県生まれ。東京大学文学部哲学科卒業。大学在学中より水俣病被害者の支援活動に関わる。1981年、『無辜なる海』(監督:香取直孝)助監督として参加。1989年から新潟県阿賀野川流域の民家に住みこみながら撮影を始め、1992年、『阿賀に生きる』を完成。ニヨン国際ドキュメンタリー映画祭銀賞など、国内外で高い評価を受ける。以降、映画監督として数々の作品を発表。他に映画やテレビ作品の編集・構成、映画論の執筆など多方面に活躍。京都造形芸術大学教授、映画美学校主任講師として後進の指導にも尽力。2007年9月4日逝去。享年49。

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飯沢耕太郎 いいざわ・こうたろう
写真評論家、きのこ文学研究家。
1954年宮城県生れ。1984年,筑波大学大学院芸術学研究科(博士課程)修了。著書に『写真美術館へようこそ』(講談社現代新書)、『きのこ文学大全』(平凡社新書)、『写真的思考』(河出ブックス)、『深読み! 日本写真の超名作100』(パイインターナショナル)、『現代日本写真アーカイブ』(青弓社)他。

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概要
日程:2016年7月2日 (土)
時間:18:00~20:00 開場 17:30~
料金:1,080円(税込)
定員:110名様
会場:本店 大教室

お問合せ先
青山ブックセンター 本店
03-5485-5511 (10:00~22:00)

書籍情報

『日常と不在を見つめて ドキュメンタリー映画作家 佐藤真の哲学』

四六版 並製本 カバー帯あり
368頁(カラー16頁含)
定価3,500円(税別)
ISBN 978-4-907497-03-3
里山社

90~00年代、佐藤真は、不穏な時代のうねりを前に「世の中を批判的に見る目を持て」と映像と文章で私たちの眠った感覚を刺激しました。佐藤が世を去って9年。影響を受けた人からともに歩んできた人まで、佐藤真に惹きつけられた32人の書き下ろし原稿とインタビュー、そして佐藤真の単行本未収録原稿を含む傑作選を収録。映画作家であり、90年代後半の類稀な思想家とも言うべき佐藤真の哲学を掘り下げ、今を「批判的に」見つめ、私たちの確かな未来への足場を探ります。

寄稿
赤坂憲雄、平田オリザ(演出家)、想田和弘(映画作家)、森まゆみ(文筆家)、小林茂(映画監督)、松江哲明(映画監督)、森達也(映画監督・作家)、原一男(映画監督)、椹木野衣(美術評論家)、飯沢耕太郎(写真評論家)、笹岡啓子(写真家)、諏訪敦彦(映画監督)、四方田犬彦(批評家)、大倉宏(美術評論家)、八角聡仁(批評家)、ジャン・ユンカーマン(映画監督)、港千尋(写真家、映像人類学者)、林海象(映画監督)ほか

佐藤真と盟友・小林茂の往復書簡
グラビア 佐藤真1990’s トウキョウ・スケッチ
構成・解説:飯沢耕太郎ほか

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