2016年10月10日(月)

【文ラボ】名作文学を音読して原稿用紙に書き写す「文ラボ」新企画開催決定。夏目漱石「こころ」を一冊読み尽くそう!

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スタッフ川代です。

「名作文学を読み直す」ことをコンセプトに、4月から月一回のペースで活動してきた、文ラボ。
「文」を体に染み込ませることによって、自分だけでは気がつかないことにふと目が行ったり、表現の巧みさに感動したりと、みんなで読むからこそ、新たな発見があるということで、毎回楽しくやらせていただきました。
課題本のほとんどは、中学や高校の頃に教科書に載っていたものを設定しているのですが、二つ、縛りを設けています。
一つは、著作権が切れている作品であること。
もう一つは、音読しても30分程度で読める作品であること。

ただ、それだと、どうしても作品が限られてきてしまいます。
もっとどっぷりと、その作品に体を染み込ませたい。
時間をかけて、その作品を吸収したい。

そして、私には、高校で読んで以来、どうしてももう一度読み直してみたい作品があるのです。

それは、夏目漱石の「こころ」。
不朽の名作と言われ、ほとんどの人は高校の教科書に「こころ」の一部が掲載されていたのを見たことがあるのではないかと思います。

高校生の頃、私もその教科書に載っていた一部に惹かれ、一冊買って全部頭から読んでみました。

とっても感動し、私のバイブル的小説になったのです……。

と、言いたいところなのですが、当時16歳だった私の反応は、「ウーン」、でした。

ウーン、なんとなく、わかる。わかるような気がする。
でも、本当にわかりきっているかと言われると、どうも、ピンとこない。

そうなのです。
なんだかぼやぼやした感じの感想しか、抱けなかったのです。

面白かったかつまらなかったかと言われれば、もちろん、面白かった。
夏目漱石の文体も好きですし、すらすらと読めました。他の文豪の作品よりもはるかに読みやすいと思いました。

けれど、私がいまひとつ物足りなく感じてしまったのは、作品の中の誰にも、深く共感することができなかったからなのです。
私が本を面白いと思うとき、それは大抵、「わかる、わかる!!」と強く共感する時です。
作者が自分の気持ちを代弁してくれたと思う時、私は強く、その作品のことが好きになります。

ですが、「こころ」には、共感ポイントがあまり、存在しなかったのです。だから、ピンとこなかった。

でも、一つ、希望としてあったのは、「きっと5年くらい経ったら、私はこの本に強く共感できるようになるだろう」と、直感的に思ったということです。

「何か、私の知らない何かが、きっと経験しないとわからないであろう感情が、ここにはある」という予感がありました。

あれから、7年。

私は、恋をするということがどんな感情なのかもわからない16歳から、大学生になり、社会人になり、ある程度「大人」と呼ばれる年齢の、23歳になりました。

きっと今なら、あの作品の素晴らしさがわかるような、そんな予感がしています。

というわけで、夏目漱石の「こころ」を読み解く「文ラボ」、定期で開催したいと思います。

「こころ」は全部で55章ありますので、全部で5回、一回につき11章を読む、ということを基準に、開催していきたいと思います。

日程はこちら。

第1回:10月10日(月・祝)11:30〜13:00
┗1章〜11章
第2回:10月22日(土)13:00〜14:30
┗12章〜22章
第3回:11月3日(木・祝)14:00〜15:30
┗23章〜33章
第4回:11月12日(土)17:30〜19:00
┗34章〜44章
第5回:11月26日(土)17:30〜19:00
┗45章〜55章
※日時、内容は予告なく変更する場合があります
※文ラボ開催時間内に音読が終わらなかった場合は、残りのパートを次回までに読んできていただきます。

今までにない試みですが、「こころ」を読んだことがある人も、ない人も。
この機会に、気持ちを新たに読み直してみませんか?

今回は、音読1時間+書き写し30分の、計90分の流れにしたいと思います。

自分が好きなパートだけくるもよし、はじめから最後までくるもよし。
大人になると、じっくりと時間をかけて一冊の本を読み込む、なんてことなかなかないと思います。

この文ラボをきっかけに、ゆったりと穏やかな時間を過ごせればと思います。

自分だけで読むのではなく、みんなで読み、楽しむ。
そうすると、一人だけではできないような発見があります。

あの頃はよくわからなかった、「こころ」。
はたして、どんな発見があるのか、わくわくしながら、当日を待ちたいと思います。

ぜひ、楽しみにお待ち下さい。

どうぞ、よろしくお願いします。

【概要】
日時:10月10日(月・祝)11:30〜13:00
コンテンツ:
パート①音読:「こころ」1章〜11章
パート②書き写し 自分の好きな部分
定員:20名様
参加費:1,000円+1オーダー
持ち物:
・夏目漱石「こころ」(当日、店舗でご購入も可能です*数に限りがあります)
・お気に入りのペン
・原稿用紙
*イベントで使いますので、お持ちでない方は店頭にて「こころ」をお買い求めください。すでにお持ちの方は必ずお持ちください。店頭で確実にほしい、という方は、事前にご連絡いただければお取り置きできます。(電話: 092-518-7435)
*天狼院の原稿用紙「Mk-Ⅱ(マークツー)」をお買い求めのお客様は500円引きで参加いただけます。
*原稿用紙をお持ちでない方にはコピー用紙をお渡しします。が、原稿用紙のマス目に字を埋めていくのが文ラボの醍醐味ですので、なるべくお持ちいただければと思います。
*プラチナクラスの方は参加費半額(500円+1オーダー)でご参加いただけます。
*「月刊天狼院書店」編集部(読/書部)の方は参加費無料(別途1オーダー)でご参加いただけます。
場所:天狼院書店「福岡天狼院」

*CLASS天狼院プラチナクラスについて→ 【破格の割引サービス】「CLASS天狼院」誕生〜最上ランク「プラチナクラス」は全店合計100名様限定〜《詳細・決済ページ》:
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