2018年4月14日(土)

松本創さんト-クライブ『軌道 福知山線脱線事故 JR西日本を変えた闘い』(東洋経済新報社)発刊記念 聞き手:二村知子

【隆祥館書店】
今回は、『軌道 福知山線脱線事故 JR西日本を変えた闘い』を上梓された松本創さんにご登場いただくことになりました。

乗客と運転士107人が死亡、562人が重軽傷を負った2005年4月25日のJR福知山線脱線事故。妻と実妹を奪われ、娘が重傷を負わされた都市計画コンサルタントの淺野弥三一は、なぜこんな事故が起き、家族が死ななければならなかったのかを繰り返し問うてきた。

事故調報告が結論付けた「運転士のブレーキ遅れ」「日勤教育」「ATS-Pの未設置」等は事故の原因ではなく、結果だ。国鉄民営化から18年間の経営手法と、それによって形成された組織の欠陥が招いた必然だった。「組織事故」を確信した淺野は、JR西日本自身による原因究明と説明、そして、組織と安全体制の変革を求める。
そのために遺族感情も責任追及も封印し、遺族と加害企業による異例の共同検証を持ち掛けた。

淺野の思いに呼応し、組織改革に動いた人物がいた。事故後、子会社から呼び戻され、初の技術屋社長となった山崎正夫。
3年半でトップを退くが、その孤独な闘いは、JR西日本という巨大組織を、長年の宿痾からの脱却へと向かわせた。
それは、「天皇」井手正敬の独裁に依存しきった組織風土、さらには、国鉄改革の成功体験との決別だった。淺野と山崎。

遺族と加害企業のトップという関係ながら、同世代の技術屋ゆえに通じ合った2人を軸に巨大組織を変えた闘い、鉄道の安全を確立する闘いの「軌道」を描く。
そこから見えてきたのは、二つの戦後史の「軌道」だった──。

当日は、これまでの軌跡とその後のJR西日本の組織風土についてもお聞きしたいと思います。この機会にぜひ!!

【プロフィール】
松本 創(まつもと はじむ)
1970年、大阪府生まれ。神戸新聞記者を経て、現在はフリーランスのライター。関西を拠点に、政治・行政、都市や文化などをテーマに取材し、人物ルポやインビュー、コラムなどを執筆している。
著書に『誰が「橋下徹」をつくったか――大阪都構想とメディアの迷走』(140B、2016年度日本ジャーナリスト会議賞受賞)、『日本人のひたむきな生き方』(講談社)、『ふたつの震災――[1・17]の神戸から[3・11]の東北へ』(西岡研介との共著、講談社)などがある。

司会 二村知子 (ふたむら ともこ)
井村雅代コーチ(当時)に師事し、シンクロナイズドスイミングを始め、現役時代はチーム競技で2年連続日本1位、日本代表出場のパンパシフィック大会では2年連続世界第3位に。現役引退後、隆祥館書店に入社。
2011年から「作家と読者の集い」と称して作家と読者の思いを直接つなぐト-クイベントを開催、メディアでは、知らされていない真実を追求する場として注目されている。
2016年からは「ママと赤ちゃんのための集い場」を毎月開き、温かい社会を目指している。

開催日 : 平成30年4月14日 土曜日
時間 : 14:30開場   15:00開演
会場 : 隆祥館書店8階 多目的ホ-ル
参加費:3.000円 (内訳:参加費1,272円+『軌道』1,728円 )
トークライブのみ:3,000円  当日の場合:参加費500円アップになります。
(要予約・事前購入制とさせていただきます。申込み順)

*振込先
三井住友銀行上町支店  (普通)1353923
カ)リュウショウカンショテン

申込み・お問合せ: 隆祥館書店 TEL:06-6768-1023
住所:大阪市中央区安堂寺町1-3-4 谷町6丁目⑦番出口向かい
Eメール:  ryushokan@eos.ocn.ne.;
主催: 隆祥館書店  後援: 東洋経済新報社

イベント情報の詳細はこちら