2015年6月26日(金)

建築の潮目第2回トークイベント『応答「漂うモダニズム」』

20世紀の建築から21世紀のあるべき建築への移行が徐々に先駆け(これを「建築の潮目」と考えます)的にみられるようになってきました。移行の大きなポイントに、建築を巡る作り手と使い手との距離感の変化が挙げられます。作り手と使い手との距離が近くなり、そこに感覚共有が図られるようになってきたのです。つまり、「建築」に対して使い手が当事者意識を持ち始めるようになってきました。こうした建築の移行の先駆けを「建築の潮目」とし、新しく刊行される多くの書籍の中から、潮目の本を真壁智治(プロジェクト・プランナー)が探し出し、その著者と共に建築の明日を楽しくドライブしてゆきます。

第2回は、建築家槇文彦氏(1928~)の同論考を巻頭として話題を集めた『漂うモダニズム』(2013年 左右社刊)に対し、多くの建築家、建築史家、批評家達が新たに論考を寄せた『応答「漂うモダニズム」』を取り上げます。
『漂うモダニズム』は、貴重なモダニズムの生き証人である槇氏による現況のモダニズムを洞察した論考集です。モダニズムは大きな船として厳然と存在し、各々の立場の違いを越えて、モダニズムに身を捧げようとする多くの建築家達が呉越同舟していました。イディアルとしてのモダニズムが広く共有化されていた、といえます。
しかし、今や、モダニズムとしての大きな船は失せ、それはポタージュ化した大海原となり、モダニズムを支えてきたコンテンツやデータベースだけが海原を漂っている。そして、それらの中を建築家達はバラバラに泳いでいるのではないか。
本書『応答「漂うモダニズム」』は私、真壁智治が企画し、「槇論考を経由して、各自の内なるモダニズムを照射し、現在の建築と都市の臨界と限界を指摘してほしい」と応答をいただく際にお願いしました。そのことにより、各応答者の問いを通して、「建築の潮目」のいくつかの断層面の様相をのぞくことができるのではないか、と考えました。
トークセッションでは、応答者の一人、塚本由晴さん(アトリエ・ワン)を交えて、この応答本の意義や『漂うモダニズム』が指摘した問題点、そして大海原への漕ぎ出し方、建築の立ち上げ方などについて、槇文彦さんと共に語り合います。

「建築の潮目」を身近なものとして考える貴重な、そして絶好の機会となることでしょう。
魅力的なキャスティングによる熱いトークセッションは絶対に見逃せません。

【建築の潮目facebook】
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【参加方法】
参加券、もしくは対象書籍をご購入のお客様

【対象商品】
①参加券¥1,000(税抜き)
②漂うモダニズム¥6,500
③『応答「漂うモダニズム」』¥3,300(税抜き・予価)

【定員】
先着60名様

【ご注意事項】
『応答「漂うモダニズム」』の価格は変更になる場合がございます。

■槇文彦
1928年東京都生れ。東京大学、ハーバード大学に学び、また両校で教鞭もとる。1965年槇総合計画事務所設立。代表作に「ヒルサイドテラス」「スパイラル」「幕張メッセ」「4WTC・グラウンドゼロ」等。現在、北南米、アジア、ヨーロッパの各地でプロジェクトが進行中。日本建築大賞、朝日賞、プリツカー賞、AIAゴールドメダル等を受賞。著作に『見え隠れする都市』(共著)鹿島出版会、『記憶の形象』筑摩書房、『漂うモダニズム』左右社、『Nurturing Dreams』MIT PRESS等がある。

■塚本由晴
建築家.東京工業大学大学院教授。博士(工学)。
1965年 神奈川県生まれ。1987年 東京工業大学工学部建築学科卒業。1987〜88年 パリ建築大学ベルビル校(U.P.8)。
1992年 貝島桃代とアトリエ・ワン設立。1994年 東京工業大学大学院博士課程修了 Harvard GSD客員教員。UCLA客員准教授、RoyalDanhshu Academy of Arts客員教授、Barcelona Institute of Architecture客員教授、Cornell大学客員教授、Rice 大学客員教授を歴任。
主な建築作品:ハウス&アトリエ・ワン(2006)、みやしたこうえん(2011)、BMW Guggenheim Lab(2011). 恋する豚研究所(2012)、東京工業大学環境エネルギーイノヴェーション棟(2012)Logement Collective Rue Ribiere(2012)、北本駅西口駅前広場(2013)
牡鹿半島の板倉コア・ハウス(2012)

■真壁智治
プロジェクトプランナー
1943年生まれ。武蔵野美術大学造形学部建築学科卒業。東京藝術大学大学院美術研究科建築専攻修了。
同大学助手を経てプロジェクトプランニングオフィス「M.T.VISIONS」主宰。
<建てない建築家>を標榜し、広汎な知己力と旺盛な構想力を駆使して、戦略的視点に立つ都市・建築・住宅分野のプロジェクトに取り組んできた。2000年より、都市・建築を「伝える」、「論じる」、「表す」、「現す」ことに専心。時代の大きな変動に向き合い、<建てない建築家>の真骨頂を発揮していく。家を伝える本シリーズ「くうねるところにすむところ」で第2回芦原義信賞を受賞(2006年)。近年、カワイイデザイン研究に力を注ぐ。
主な著書に、『アーバン・フロッタージュ』(住まいの図書館出版)、『感応』(用美社)、『感性工作者の日常発想』(三省堂書店)、『家のワークショップ』(ワールドフォトプレス)、『これからのくらしとあかり』(エクスナレッジ)、『カワイイパラダイムデザイン研究』(平凡社)、『ザ・カワイイヴィジョンab』(鹿島出版会)などがある。

開催概要

会期:
2015年6月26日(金)
会場:
蔦屋書店1号館 2階 イベントスペース
開館時間:
19:30~21:00
主催:
代官山 蔦屋書店
協力:
 
お問い合わせ:
03-3770-2525

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