【ジュンク堂 難波店】
LGBTに関する知識はここ数年で急速に広がり、非当事者であっても共感し、差別の解消に賛同する人が増えてきました。
LGBTフレンドリーを推奨する企業も登場しています。それ自体はとても喜ばしいこと。
しかし、実際に当事者がどんなことに悩み、どんな立場に置かれてきたかをよく分かっていないと、真に「フレンドリー」になることはむずかしいのではないでしょうか。
一見、理解者ぶった振る舞いや発言が当事者を傷つけてしまうこともあります。
そして、そういうリスクを恐れて「あまり触れないでおこう」なんて思ってしまう人もいるかもしれません。
たとえば、性同一性障害の人の一部が受ける性別適合手術(性転換手術)についてご存じでしょうか。
乳房の切除や子宮卵巣の摘出、陰茎の形成などの手術を通して、自分が認識する性別に体を変えていきます。
どんな病院で、どんな医師がその手術をしていているのか。
手術費がいくらぐらいかかるのか。保険は適用されるのか。
入院は? リスクは?
──実はタイ王国はこの分野の先進国。
多くの日本人がタイに渡り、異国の地で手術を受けています。
日本では歴史的な背景もあり、適合手術を担える病院が全国的に少ないのです。
本トークセッションでは、タイでの手術の現状や日本の医師・当事者に取材したノンフィクション『性転師―「性転換ビジネス」に従事する日本人たち』を著した共同通信記者・伊藤元輝氏と、担当編集者の柏書房・竹田純氏をお招きします。
伊藤氏は非当事者で、LGBTの事柄について当初は「あまり触れないでおこう」と思っていました。
手術を斡旋して日本からタイに希望者を送り込む、通称・“アテンド業者”の男性と偶然出会ったことをきっかけにこの分野の取材を始め、その過程で心境に大きな変化があったと言います。
取材の背景にも触れながら、手術や国内外のLGBT事情について考えます。
【プロフィール】
伊藤元輝(いとう・げんき)
1989年福岡生まれ。
早稲田大学卒業後、「総合商社だけ受けて、全部落ち」三次募集のあった大手証券会社に入社。
だが厳しい営業職に音を上げて2か月で退職。
「充電期間」を経て、2011年10月、記者として共同通信社に入社。
高松支局に配属され、大阪社会部を経て、現在神戸支局に在籍。
事件担当を中心にルポルタージュなど連載企画にも取り組む。
『性転師』が初の単著。
竹田純(たけだ・じゅん)
1987年生まれ。
大阪外国語大学(在学中に大阪大学に合併)卒業。
新聞記者を経て、映画館勤務、雑誌編集者を経て、現在柏書房で書籍編集。
おもな担当書に『パリのすてきなおじさん』『日本のヤバい女の子』『ベートーヴェン捏造』『だから私はメイクする』『BTSを読む』などを担当。
■開催日時… 2020年07月19日(日) 16:00~18:00
■会場… ジュンク堂書店難波店 3階カウンター前特設会場。入場料無料(定員20名)
■受付… 3階カウンターにて。電話予約可(06-4396-4771)