2020年9月26日(土)

原正人 × 斎藤真理子「韓国からフランスへ 越境して見出した「私(je)」の物語」 『砂漠が街に入りこんだ日』(リトルモア)刊行記念

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今年1月にフランスで出版された新人作家のデビュー短編集『砂漠が街に入りこんだ日』は、フランス国内で驚きを持って迎えられました。
著者のグカ・ハンは、1987年に韓国で生まれた女性で、ソウルで造形芸術を学んだ後、26歳で初めてフランスに渡り、パリ第8大学の修士課程で文芸創作を学んだという経歴の持ち主。
韓国で暮らしていた頃は小説を書いたこともなかったという彼女は、後天的に身に付けたフランス語によって、ある架空の幻想都市をさまよう「私」たちの物語を紡ぎ出すことになります。
 
私に限っては、慣れ親しんだ母国語は執筆するのに十分な条件ではなく、むしろ障害である。
ある意味、この韓国語という言語のせいで、私の想像力は阻害され、息が詰まってしまう。
外国語で執筆することでようやく、私は物語を個人的な体験から切り離して構築することができる。───作者あとがきより
 
とはいえ、8つの物語の冒頭を飾る「ルオエス(LUOES)」という都市を逆さまに読むとソウル(SEOUL)になることや、作中に韓国社会に大きな衝撃を与えた事件の影を感じさせるものがあるなど、読み手によっては作品の中にはソウルの生活のさまざま要素を見出すこともできるでしょう。
一方で、登場人物たちはいずれも社会の周縁に位置する存在であり、街をさまよい、眠り、夢を見て、過去を回想し、孤独と哀しみと怒りを抱えながら生きる姿は、現代のディアスポラな都市生活者にも重なります。
また、幻想的な心象風景の描写は、シュルレアリスムや、ボルヘス、カルヴィーノ、ブッツァーティらの作品世界をも彷彿とさせます。
 
B&Bでは、世界に先駆けていち早く日本で翻訳出版された『砂漠が街に入りこんだ日』(リトルモア)の刊行を記念して、本書の翻訳を手がけた原正人さんと、韓国の現代文学を積極的に翻訳されている斎藤真理子さんをお招きし、グカ・ハン作品が内包する多面的な魅力に迫ります。
 
(著者プロフィール)
グカ・ハン(Guka Han) 
1987年韓国生まれ。
ソウルで造形芸術を学んだ後、2014年、26歳でパリへ移住。
パリ第8大学で文芸創作の修士号を取得。
2020年に出版されたデビュー作『砂漠が街に入りこんだ日』がフランス国内で大きな話題となる。
現在は、フランス語で小説を執筆するほか、フランス文学作品の韓国語への翻訳も手掛ける。
 
【出演者プロフィール】
原正人(はら・まさと)
1974年静岡県生まれ。
訳書にフレデリック・ペータース『青い葉』(青土社)、トニー・ヴァレント『ラディアン』(飛鳥新社)、ジャン・レニョ&エミール・ブラヴォ『ぼくのママはアメリカにいるんだ』(本の雑誌社)、バスティアン・ヴィヴェス『年上のひと』(リイド社)、アンヌ・ヴィアゼムスキー『彼女のひたむきな12カ月』『それからの彼女』(ともにDU BOOKS)など多数。
 
斎藤真理子(さいとう・まりこ)
1960年新潟県生まれ。
訳書にパク・ミンギュ『カステラ』(ヒョン・ジェフンとの共訳、クレイン/第1回日本翻訳大賞受賞)、チョ・セヒ『こびとが打ち上げた小さなボール』(河出書房新社)、 ファン・ジョンウン『誰でもない』(晶文社)、チョ・ナムジュ『82年生まれ、キム・ジヨン』(筑摩書房)、ハン・ガン『回復する人間』(白水社)、イ・ギホ『誰にでも親切な教会のお兄さんカン・ミノ』、チョン・セラン『保健室のアン・ウニョン先生』(ともに亜紀書房)など多数。
 
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9月よりスマートレターもしくはクリックポストで随時発送いたします。送料は無料です。
 
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時間 _ 15:00~17:00
場所 _ オンライン配信
▼入場料
■【配信参加】1,650円(税込)
■【配信+書籍】3,630円(税込)

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