天狼院書店店主の三浦でございます。
おかげさまで、天狼院書店はちょうど二年前に池袋に一店舗目「東京天狼院」をオープンしてから、今年9月に表参道に「天狼院STYLE表参道」、同じく9月に九州福岡に「福岡天狼院」をオープンさせ、今まさに拡張期に入っております。
僕は今、天狼院書店を経営しておりますが、元々は、小説家になることが夢でした。
20代のほとんどの時間を、小説を書くことに費やしてきました。
そもそも、本屋になったのは、生活費を稼ぐためで、当時の僕の人生のほとんどは小説を書くことに費やされていました。
具体的にいえば、一日平均原稿用紙40枚書き続けていました。それを10年ほど続けました。
ひとりよがりの小説を書き続け、江戸川乱歩賞にのみ、応募し続けていたのですが、いつも、予選は残っていても、いいところで落選してしまう。しかも、その作品に対して、何が良くて、何が悪かったのかを教えてくれるわけでない。
賞は1年に1回しかなく、その不確かなチャンスに人生を賭すのはあまりに危険過ぎる。
小説家になる講座というものは、大学を含めて数多く存在していましたが、本当に小説家を出すという実績があった講座は極めて稀でした。
どう考えても、小説家になりたい若者たちの夢を食い物にしているとしか見えないものが多かった。
たとえば、とある芸術大学の文芸学科などは、毎年数百人高い入学費を払って入学したとしても、一人も小説家になれない年のほうが多いのが現状です。
入学金として120万円。そして、毎年100万円ほど支払った結果、小説家を生めないのだとすれば、その学科や講座が存在する意味は、いったい、どこにあるのでしょうか?
たしかに、狭き門を突破して小説家になることは難しいことです。けれども、その難易度を大義名分とした「夢を食い物にする仕組み」は世の中に数多く存在しているのに「夢を実現する仕組み」があまりに少ないように僕には思えました。
様々なメディアでも公表しているように、僕が天狼院書店を創った目的は、「READING LIFEの提供」、すなわち、本とその先にある体験までも提供することですが、その裏の目的として、常に僕の念頭にあったのは、埋もれている若い才能を世の中に送り出すことでした。
この度、出版社のディスカヴァー21さんと天狼院書店がコラボすることによって、僕の大きな夢のひとつが、叶えられようとしています。
そうです、「本気で小説家を出すプロジェクト」を本格的に始めようと決めました。
それこそが、「天狼院文芸部」です。
およそ半年間にわたって、「天狼院文芸部」では、小説家を生み出すべく、本気でカリキュラムを組みます。
そこで、講師の先生にも、本気モードの方を招くことに決めました。
実業之日本社さんで、文芸の編集長、担当部長を歴任し、今野敏先生や有栖川有栖先生、東川篤哉先生などの担当編集として、数々のヒット作を世に送り出した、関根亨氏を講師として招聘することになりました。
今回は「天狼院文芸部」のキックオフ・イベントになります。
今後、10月、11月からのおよそ半年間、どういったカリキュラムにするか、どういう人が小説家になれるのか、小説家になるにはどういった努力が必要なのかということを、元小説家になりたかった書店人の三浦が、関根氏に詳しく伺って行こうと思います。
また、もしかして、若手小説家として将来を嘱望されている小説家の先生も、同時に登壇してくれるかもしれません。
その場で「天狼院文芸部」のカリキュラムを、予定調和なしのリアルタイムで組み上げていこうと思います。
天狼院書店がこの「天狼院文芸部」の設立に、どれくらい真剣なのかを示すために、僕は2つの条件を用意いたしました。
1の条件は、天狼院書店店主としてのオファーであり、2の条件は、劇団天狼院主宰としてのオファーです。
このオファーに対して、いち早く反応してくれたのが、出版界でも常に最前線を行き、数々の才能をいち早く見出してきた、ディスカヴァー21の干場弓子社長でした。干場社長も、奇しくもフィクション事業部を立ち上げて間もなく、新しい才能を発掘しようとお考えでしたので、天狼院とディスカヴァーさんの思惑が一致したことになります。
それなので、「天狼院文芸部」の優先出版権は、ディスカヴァー21「フィクション事業部」に委ねたいと思っております。
天狼院全体として、小説家を出すために、1000冊の仕入れと演劇化によって、有り体にいえば、300万円ほどを負担することになります。この数値1つみても、天狼院として、このプロジェクトが本気だということがお分かりいただけるかと思います。
また、ディスカヴァー21さんとしても、1冊の本の出版には編集費、印刷代、営業費など膨大な費用がかかります。
そう、我々は、本気で小説家を出そうと考えているのです。
本気で取り組む才能には、本気で応えようと考えています。
まずは、顧問の関根氏のOKが出た作品を、天狼院で精査します。そこで、店主である僕が、1,000冊買い切りのOKと演劇化のOKを出した後に、ディスカヴァー21の干場社長に作品を持っていきます。そこで、干場社長のOKが正式に出れば、その作品は出版されることになります。
まとめますと「天狼院文芸部」で小説家になる流れは以下のようになります。
【「天狼院書店文芸部」で小説家になるには】
「天狼院文芸部」は②にあるように、ゼミ形式でみっちりやりたいと考えております。それですので、少人数20名様ほど限定で、月謝3万円ほどで考えております。
また、④までいった場合で、⑤でOKが出なかった場合は、他の出版社へ、天狼院書店が持っていき、出版の道を全力を模索いたします。
まずは、10月3日のキックオフに参加ください。
本気の人だけをお待ちしております。
お会いできるのを楽しみにしております。
【概要】
日時:10月3日(土)
10:30〜12:00 「本気で小説家になるプロジェクト」キックオフ・イベント(10:00会場)
定員:30名様
参加費:3,000円
*Peatixか天狼院書店店頭での事前決済を終えない限り、受付完了となりませんのでご注意ください。
*今回は別会場でのコラボイベントですので「年間パスポート」はご利用いただけません。
場所:Discover 30th Anniversary POP UP STORE(HP:http://30th.d21.co.jp/)
〒151-0051 東京都渋谷区千駄ヶ谷3-54-8
【講師プロフィール】
関根亨(せきね・とおる)
1984年法政大学社会学部卒。同年、実業之日本社へ入社。89年より文芸出版部勤務。
今野敏氏警察小説シリーズ6冊累計40万部、東川篤哉氏本格推理シリーズ3冊累計45万部の実績を作る。
ほかに、有栖川有栖氏、五十嵐貴久氏、五木寛之氏、江上剛氏、近藤史恵氏、小路幸也氏、原田マハ氏など著名作家を担当。
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