福島第一原子力発電所事故から間もなく10年。
タイトルに「原子力の」とつく新書が立て続けに刊行されます。
戸谷洋志さん『原子力の哲学』(12月刊)と山本昭宏さん『原子力の精神史――〈核〉と日本の現在地』(2月刊)。
先に刊行された哲学研究者・戸谷さんの新刊は、原子力(核兵器と原発)をめぐるハイデガー、アーレント、ヨナス、デリダなど7人の代表的な哲学者の考えを紹介し、それぞれの人と思想の関係を明らかにしながら、原子力の脅威にさらされた世界はどのようなもので、そうした世界に生きる人間はどのように存在しているのか、その根源を問うていく一冊です。
一方、日本近現代文化史が専門の山本さんの新刊は、日本は「核兵器のない世界」を望んでいるのか、原発などの「核エネルギーのない社会」を本当に目指していると言えるのか――、広島への原爆投下から3・11以後まで歴史的・思想史的にたどりながら、安全保障の前提としてアメリカの核兵器に依存し、政治・経済上の要請から原発と核燃料サイクルを維持するという、核エネルギーを利用するシステムがいかに日本社会に根を下ろしているかを明らかにします。
お二人それぞれ全く異なる専門の視点と立場から、原子力(核兵器と原発)が私たちに何をもたらしたのかを、哲学、思想、政治、文化などあらゆる切り口から迫っていきます。
そこから浮かび上がる私たちの現在地は――。
【参加条件】
イベントチケット予約・販売サービス「Peatix」にて、いずれかの対象商品をご購入いただいたお客様がご参加いただけます。
【対象商品】
・イベント参加券 1,300円(税込)
・書籍『原子力の哲学』(集英社・946円/税込)+イベント参加券(1,000円/税込) セット 1,946円(税込)
・書籍『原子力の精神史:<核>と日本の現在地』(集英社・902円/税込)+イベント参加券(1,000円/税込) セット 1,902円(税込)
・書籍『原子力の哲学』『原子力の精神史:<核>と日本の現在地』2冊セット+イベント参加券(500円/税込) セット 2,348円(税込)
※『原子力の精神史』は2021年2月17日(水)に入荷予定です。入荷後に配送いたします。
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受付締め切り: 2021年2月2日(火) 19:00まで
【オンラインイベント アーカイブ配信のお知らせ】
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【プロフィール】
戸谷 洋志 (とや・ひろし)
1988年東京都生まれ。哲学研究者、大阪大学特任助教。
法政大学文学部哲学科卒業、大阪大学大学院文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。
現代ドイツ思想を軸に据え、テクノロジーと社会の関係を研究。
著書に『Jポップで考える哲学――自分を問い直すための15曲』『ハンス・ヨナスを読む』、共著に『僕らの哲学的対話 棋士と哲学者』、『漂泊のアーレント 戦場のヨナス――ふたりの二〇世紀 ふたつの旅路』がある。
山本 昭宏 (やまもと・あきひろ)
1984年奈良県生まれ。神戸市外国語大学准教授。
京都大学大学院文学研究科博士後期課程修了。専門は日本近現代文化史。
主著に『核と日本人――ヒロシマ・ゴジラ・フクシマ』『戦後民主主義――現代日本を創った思想と文化』(ともに中公新書)、『核エネルギー言説の戦後史1945~1960――「被爆の記憶」と「原子力の夢」』『大江健三郎とその時代――「戦後」に選ばれた小説家』(ともに人文書院)、『教養としての戦後<平和論>』(イースト・プレス)などがある。