生活史や沖縄を研究する社会学者として知られる岸政彦さん。最近はNHK教育テレビ「100分de名著」でフランスの社会学者ピエール・ブルデューの大著『ディスタンクシオン』をわかりやすく解説して話題となりました。研究のかたわら、岸さんは大阪を舞台にした小説を書き続けています。最新作『リリアン』(新潮社)は、大阪市の南端で暮らすジャズ・ベーシストの男が、酒場で女と出会うところから始まります。大阪で生まれ育った二人が、精一杯人生を切り開こうとして、それでもうまくいかない。そんな物語が、大阪の街外れの寂しい風景とともに描かれています。
今回のトークのお相手、作家の山内マリコさんも、大阪の南部にある大学に入学するため、故郷の富山を出ました。いまは東京に暮らしながら、地方の女性のリアルな気持ちを表現した物語を多く書かれています。
地元で生まれ育ち、そこで暮らすこと。地元を出て、都会でなんとか生きていこうとすること。
お互いの本の話を皮切りに、地方と都市、二つの極を行き来する人生についてお二人に語っていただきます。
※WEB会議ツール「Zoom」を使用して実施します。passmarket-master@mail.yahoo.co.jp (配信専用アドレス)より前日21時過ぎと当日17時過ぎにウェビナー登録のURLをお送りします。どちらかで登録をお願いいたします。(URLの共有は禁止いたします。)
※インターネットに接続したパソコンや、タブレット端末、スマートフォンが必要になります。
※スマートフォン、タブレット端末の場合、事前に「Zoom」のアプリダウンロードが必要です。
日程
2021年3月11日 (木)
時間
19:00~20:30
料金
1,320円(税込)
定員
100名様
会場
※WEB会議ツール「Zoom」を使用して実施します。
岸政彦 きし・まさひこ
1967年生まれ。社会学者。著書に『同化と他者化――戦後沖縄の本土就職者たち』『街の人生』『断片的なものの社会学』(紀伊国屋じんぶん大賞2016受賞)『ビニール傘』(第156回芥川賞候補、第30回三島賞候補』『マンゴーと手榴弾――生活史の理論』『図書室』(第32回三島賞候補)『地元を生きる――沖縄的共同性の社会学』(共著)『大阪』(共著)など。
山内マリコ やまうち・まりこ
1980年富山県生まれ。作家。大阪芸術大学映像学科卒。2008年「女による女のためのR-18文学賞」の読者賞を受賞し、 2012年『ここは退屈迎えに来て』 でデビュー。 著書に『アズミ・ハルコは行方不明』『あのこは貴族』『選んだ孤独はよい孤独』 『あたしたちよくやってる』など。
書籍情報
『リリアン』
著者:岸政彦
出版社:新潮社
街外れで暮らすジャズベーシストの男と、場末の飲み屋で知り合った年上の女。行き場所のない二人の会話が重なりあい、大阪の片隅で生きる陰影に満ちた人生を淡く映し出す。表題作の他、女性のひとり語りの短篇「大阪の西は全部海」を収めた、話題の社会学者による哀感あふれる都市小説集。