2015年10月18日(日)

【ファナティック読書会3.0】「いやもう、『面白いから読んだ方がいいですよー』とかじゃなくてさ、読め。」っていう本、みなさんにもありませんか?!《聞き専の方、初めての方もお気軽にどうぞ!!》》

 
 
こんにちは。スタッフ小島です。
前々回の読書会に参加してくださったNさんが、「この本はもう、読んでください。表現者の方は、特に。読んでくださいどころじゃなくて、読め!っていう勢いです」と前置きして紹介してくださったマンガがありました。
私「え!『読め!』ですか!全5巻だと、私の一回のアルバイト代くらいですね……」
Nさん「いやいや、たった一回のアルバイト代でこんな素晴らしいマンガを読めるんなら、安いものですよ」
私「そんなに⁈⁈ そんなすごいんですか……じゃあ読んでみようかな……いっぱい発注しちゃおっと」

それが、マンガ大賞2015の大賞受賞作、東村アキコさんの「かくかくしかじか」(集英社)。

とりわけ、Nさんが、
「表現者の方は特に読んだ方がいいですよ」
とおっしゃっていたのが妙に印象的でした。私もたまーに記事を書いたりはしていたから、表現者のはしくれかなと僭越ながら思っていて。でも最近何か書こうとしたって、ぜんっぜん面白くないものしかできないし。だんだん文章書くのもつまんなくなってくるし。

だから、何かヒントになればいいなあと思って、人生初!マンガを大人買いしちゃいました。
これは作者の東村アキコさんの自伝的マンガで、彼女が高校生のときから物語が始まります。美大に進学希望の、自分は超絶絵がうまいと思ってる女子高生(東村さん)が、ある絵画教室に通い始めます。そしたらそこの先生は、生徒に竹刀を振るう鬼教師だった……という、ウソのような本当のお話。
竹刀がトレードマーク(?)の日高先生の教えはとってもシンプルでした。たった二文字、「描け」という言葉に集約されていた。描きたいものを選んでいるんじゃなくて、ただ今見えているものをただひたすら描け、と。

私の場合は絵じゃなくて文字でしたけど、たったそれだけのことがものすごく難しかった。

起こる出来事や見える景色を自分の都合のいいように解釈したいから、どうしても色眼鏡越しで物事を見ることになる。それを紙の上に現してしまったら、自分がどれだけ世界をゆがめているか一発で分かってしまう。

でも理想だけは高いから、自分が間違っていることも、別に誰かに言われなくたってわかっている。
だからこそ、本当の気持が文字にできなくて、適当に自分をごまかしながら文章を書こうとしていたんですけど、でもそれじゃ書けなくて当然なんですよね。

これを読んで、とりあえずなんでもいいから書かなきゃ、間違っててもいいから、と思って、日記みたいなものでしかないんですが毎日キーボードを叩くようになりました。自分の嫌なところと向き合わないといけないので、ぜんっぜん楽しくないです。

でも、それを毎日繰り返したら自然と「じゃあどうしたらいいのか」を考え始めるようになる。大変身はできなくたって、少しでも前を向くにはどうしたらいいのか。こういう自分でいることはもうしかたないから、ちょっとでも改善できるならしたほうがましだぞ、って。
そして、別に直せない欠点があってもそれは仕方のないことだとも開き直れるようになりました。結局は欠点なんて長所と裏表なわけで、変わらなきゃとプレッシャーを背負いすぎる必要もない、お互いさまなんだからと。

バイト代を一回分つぎ込んだ甲斐は、本当にあったなあと思います。自分と向き合うことを真剣に考え始めた。そして、本当に自分のためを考えるならどうすべきなのか、すねたり怒ったり落ち込んだりしてしまうときもあるけど、後悔しないためには結局どうしたらいいのか。そういうことを考え始めるようになりました。

このときの読書体験があまりに印象的だったので、今回の読書会のテーマも、こうします。
「この本は、絶対読んどけ。もはや、読め。」っていう本!です!

紹介者のみなさん、どうぞ皆さんの読書経験の中でもイチオシの本をお持ちください。Nさんが紹介された本が私をちょっとだけ変えたように、皆さんの紹介された本が、他の参加者の方の日常を変えるお手伝いをするかもしれません。

そして、「お話だけ聞いてみたい!」という方も、どうぞお気軽にいらしてくださいませ!みなさんの世界がちょっとだけ開けるかもしれない、濃密な2時間になること請け合いです。

それでは、日曜日朝9時より、みなさまのお越しを心よりお待ちしております!

【概要】
日時:10月18日(日)
8:45 開場・受付開始
9:00 ファナティック読書会開始
定員:何人でも受け入れます!
参加費:1000円+1オーダー(ドリンクでもフードでも可)
*「年間パスポート」をお持ちの方は参加費が無料となりますので、1オーダーのみで参加いただけます。
場所:天狼院書店「東京天狼院」
【ファナティック読書会3.0について】ファナティック読書会とは、大好きな本を「ファナティック(熱狂的)」に紹介していただく、天狼院書店オリジナルの読書会です。思う存分、お好きな本をご紹介ください。それについて、語ってください。ジャンルは問いません

【注意事項】
・参加者への他のイベント、セミナー、グループ、店、企業、その他への勧誘は固く禁じます。また、勧誘を見かけた場合はスタッフまでご一報ください。

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