心身の不調に陥ったとき、私たちは病院に行って、「病名」をつけられ、その「原因」を取り除いたり、「症状」を緩和するための治療を受けることが多くあります。
そうしてよくわからなかった不調にはっきりと名前を付けてもらうことで、実際にそれらが「ある」ように感じる一方で、「本当にそうだろうか? なんか違うような……」という疑念や違和感も同時に湧き起こってきます。
よく考えてみれば、医療の世界に限らず、世界にはあいまいなものがあふれているのに、とりあえず白黒つけることでやり過ごしているようにも思えてきます。
特に精神臨床の世界で、「あいまいさ」と日々向き合い続ける星野概念さんは、今年2月に『ないようである、かもしれない――発酵ラブな精神科医の妄言』という一風変わったタイトルのエッセイを出されました。
精神医療の世界に限らず、私たちの日常に実は潜んでいる「ない」ようで「ある」かもしれないものたちについて、深く、やわらかな文章を書かれています。
一方、医療人類学の視点から、医療現場で医療者と患者のあいだで織りなされる様々な「あたりまえ」を、観察、分析しつづける磯野真穂さん。
著書を読んでいると、私たちがこれまで「あたりまえ」と思ってきた医療行為が、実はとても特殊な関係性や、制度的事情に基づいたものだということが明らかになり、目を見開かれます。
それと同時に、医療を取り巻く制度や社会環境のあいだでもがく、ひとりひとりの医療者や患者の葛藤が浮き彫りになってくるのです。
おふたりに共通する、「あいまいさ」を大切に受け止める姿勢。
でも、日々の現場では、容赦なく判断に迫られることも多いはず。
その葛藤の中で、おふたりや、おふたりの周りでは、どうやって「病む」と「治る」に向き合っているのでしょうか……?
硬直した制度や社会通念をやわかくしていくために、ヒントに満ちた対談となりそうです。
それぞれの視点から、たっぷりお話いただきます。
【プロフィール】
星野 概念 (ほしの・がいねん)
1978年生まれ。精神科医 など。
病院に勤務する傍ら、執筆や音楽活動も行う。
雑誌やWebでの連載のほか、寄稿も多数。音楽活動はさまざま。
著書に、いとうせいこう氏との共著 『ラブという薬』『自由というサプリ』(以上、リトル・モア)がある。
Webマガジン「みんなのミシマガジン」での連載をもとに、2月19日に新刊『ないようである、かもしれない――発酵ラブな精神科医の妄言』が発売となる。
◆みんなのミシマガジン|【連載】ないようである
磯野 真穂 (いその・まほ)
早稲田大学人間科学部スポーツ科学科卒(1999)、オレゴン州立大学応用人類学修士課程修了後、早稲田大学文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。
著書に『ダイエット幻想 やせること、愛されること』(ちくまプリマー新書、2019)、『急に具合が悪くなる』(共著:宮野真生子、晶文社、2019)、『医療者が語る答えなき世界 いのちの守り人の人類学』(ちくま新書、2017)、『なぜふつうに食べられないのか――拒食と過食の文化人類学』(春秋社、2015)がある。
【参加条件】
イベントチケット予約・販売サービス「Peatix」にて、いずれかの対象商品をご購入いただいたお客様がご参加いただけます。
【対象商品】
・イベント参加券 1,300円(税込)
・書籍『ないようである、かもしれない』(ミシマ社・1,870円/税込)+イベント参加券(1,000円/税込)+送料(500円/税込) セット 3,370円(税込)
・サイン本『ないようである、かもしれない』(ミシマ社・1,870円/税込)+イベント参加券(1,000円/税込)+送料(500円/税込) セット 3,370円(税込)
※『ないようである、かもしれない』は2021年2月19日(金)に入荷予定です。発売日後に配送いたします。
※Peatixで取得したお客様の個人情報は、本イベントへお申し込み頂いた方への商品発送にのみ使用し、それ以外での使用は行いません。個人情報のお取り扱いについてご同意の上、お申込み下さい。
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受付締め切り: 2021年3月27日(土) 19:00まで
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