「往復書簡という方法には、なにか捉えがたい余韻が感じられる」(『言葉をもみほぐす』赤坂憲雄「あとがきにかえて あやしいものたちの連帯のために」より)
赤坂憲雄さんと藤原辰史さんの共著、『言葉をもみほぐす』が刊行されました。この本は、対談ではなく、一年半にわたり交わされた18通の往復書簡を編んだ本となります。
災害や感染症の流行といった時事的な状況を背景にしつつ、ときに素顔が垣間見られる私的な回想を織り交ぜて書かれたお二人の言葉は、論文や批評、エッセイとは異なる、手紙だからこその親密な表現です。
そして、信頼と敬意をもって対峙する相手へ向けて、また、自分に向けて、幾度も根源的な問いへと立ち返る、緊密な表現ともなっています。
往復書簡を書籍化するに際しては、お二人と親交の深い写真家の新井卓さんに、それぞれの手紙に一枚のダゲレオタイプ(銀板写真)を選んでいただき、収録しました。
それは、お二人の言葉に向けられた、言葉ならざる手紙でもありました。
時間と空間を隔てて投じられるからこそ、何かを宿し、人と人とをつなぐ、手紙。
この『言葉をもみほぐす』での手紙の経験について、三人に語っていただきます。
とりわけ、言葉の表現者としてもすぐれたアーティストでありながら、言葉を縛られた状態で本書にご参加くださった新井卓さんの言葉を、解き放ち、お聞かせいただけることは、楽しみです。
言の葉(コトノハ)だけでなく、言の場(コトノバ)として開かれた場で、人文知と芸術が交錯するとき、そこから何が生まれるのか。
どうぞ、ふるってご参加ください。
【プロフィール】
赤坂 憲雄 (あかさか・のりお)
1953年、東京都生まれ。専門は民俗学・日本文化論。学習院大学教授。
『岡本太郎の見た日本』(岩波書店)でドゥマゴ文学賞、芸術選奨文部科学大臣賞(評論等部門)を受賞。
『異人論序説』『排除の現象学』(ちくま学芸文庫)、『東西/南北考』『武蔵野をよむ』(岩波新書)、『性食考』(岩波書店)など著書多数。
藤原 辰史 (ふじはら・たつし)
1976年、北海道生まれ、島根県出身。専門は農業史。京都大学人文科学研究所准教授。
『ナチスのキッチン』(水声社、のちに決定版=共和国)で河合隼雄学芸賞を、『分解の哲学』(青土社)でサントリー学芸賞を受賞。
『トラクターの世界史』(中公新書)、『給食の歴史』(岩波新書)、『縁食論』(ミシマ社)、『農の原理の史的研究』(創元社)など著書多数。
新井 卓 (あらい・たかし)
1978年、神奈川県生まれ。アーティスト・映画作家。
ダゲレオタイプ(銀板写真)の技法で写真を撮る。
2016年に第41回木村伊兵衛写真賞を、2018年に映像詩『オシラ鏡』で第72回サレルノ国際映画祭短編映画部門最高賞を受賞。
写真集に『MONUMENTS』(PGI)など。
【参加条件】
イベントチケット予約・販売サービス「Peatix」にて、いずれかの対象商品をご購入いただいたお客様がご参加いただけます。
【対象商品】
・イベント参加券 1,300円(税込)
・書籍『言葉をもみほぐす』(岩波書店・1,980円/税込)+イベント参加券(1,000円/税込)+送料(500円/税込) セット 3,480円(税込)
※Peatixで取得したお客様の個人情報は、本イベントへお申し込み頂いた方への商品発送にのみ使用し、それ以外での使用は行いません。個人情報のお取り扱いについてご同意の上、お申込み下さい。
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受付締め切り: 2021年4月16日(金) 19:00まで
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