2020年、この惑星の都市は予期された「祝祭」の場から「封鎖」の空間へと変貌しました。
公衆衛生をめぐる様々な問題が喧伝されながら、情報、モノ、そしてウイルスが惑星を、都市を駆け巡りつづけています。
では、いまの都市は、行政上の区分で枠づけられるものなのでしょうか。
地図上に描かれるような境界によって都市を定義づけることは可能なのでしょうか。
つまるところ、現代になお絶えざる変貌をつづける都市をいかに考えればよいのか。
この問いをわたしたちは「理論」と読み替え、惑星規模で展開しつつある新たな都市の姿、そして更新される「理論」のありかを、13編の論文、11人の執筆陣をとおして、本書で考えました。
では、「惑星都市理論」という一見矛盾した本書のタイトルはいったい何を表すのか。
たとえばグローバル化やデジタル社会の到来は均質でフラットな世界をもたらすものだと考えられてきました。
けれどもワクチンの確保・輸送一つをとってみても、もしくは情報環境の面からも、ないしはその土地に強いられる労働のありかたからも、この惑星がフラットになったとは考えられません。
陸・海・空を問わず、張り巡らされるインフラ網とそれを管理するロジスティクスの拡大は、これまでの都市の境界線をまるで存在しないかのようなものとすることで、より一層巨大な(けれども不均等な)都市を作り上げつつあります。
ここにわたしたちが「惑星都市理論」といったタイトルを用いた意図があるのです。
今回のトークイベントでは、編者の平田周と仙波希望を中心に、本書執筆陣をゲストとして交えながら、2021年になお考えられるこの「惑星」の「都市」の「理論」について議論してみたいと思います。
【プロフィール】
平田 周 (ひらた・しゅう)
1981年生まれ思想史。
パリ第8大学博士課程修了。博士(哲学)。
日本学術振興会特別研究員(PD)を経て、南山大学外国語学部フランス学科准教授。
主な論文に「ニコス・プーランザスとアンリ・ルフェーヴル─1970年代フランスの国家論の回顧と展望」(『社会思想史研究』第37号,2013)、「なぜ空間の生産がいまだに問題なのか」(『現代思想』第45巻18号,青土社,2017)
など。
共訳にグレゴワール・シャマユー『人間狩り』(明石書店,近刊)など。
仙波 希望 (せんば・のぞむ)
1987年生まれ。
都市研究、カルチュラル・スタディーズ。博士(学術)。
広島文教大学人間科学部専任講師。
主な著書に『忘却の記憶』(共著,月曜社,2018)など。
主な論文に「「平和都市」の「原爆スラム」─戦後広島復興期における相生通りの生成と消滅に着目して」(『日本都市社会学会年報』第34号,2016)、「日々の喪失,平和の喧伝─相生通りと動員される「平和都市」」(『現 代思想』第44巻15号,青土社,2016)など。
【参加条件】
イベントチケット予約・販売サービス「Peatix」にて、いずれかの対象商品をご購入いただいたお客様がご参加いただけます。
【対象商品】
・イベント参加券 1,100円(税込)
・書籍『惑星都市理論』(以文社・4,180円/税込)+イベント参加券(500円/税込)+送料(500円/税込) セット 5,180円(税込)
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