天狼院STYLE表参道
イベント開催日: 2015年11月25日(水)
天狼院STYLE表参道の夏川です。
思えばこれまで、いろいろな場所で暮らして来ました。
18歳で一人暮らしを始めたところから数えても、その後の14年間で9ヶ所。記憶のない、幼い頃から数えると合計14ヶ所。特にこの6年間では「1つの場所に1年ずつ」の暮らしを楽しんできました。
初めて一人暮らしをしたのはいわゆる六畳一間、玄関を入ってすぐにコンロがあるような古いアパートでした。次の住処は、うって変わってキレイな築浅のマンション。エレベーター・オートロック・宅配ボックスはもちろんクリーニングを預かってくれるコンシェルジュまでいて快適でした。
社会人になって住んだのは博多駅まで歩いて10分もかからない場所。出張の多かった私にはとにかく便利でした。
築55年の古い一軒家に住んだこともあります。暑さ寒さは厳しいけど、季節ごとに庭に咲く花を楽しみ、縁側ではネコが昼寝をする、自然を近くに感じる家でした。
東京でのはじめの住まいに選んだ部屋は、2階建ての古い家がひしめく静かな住宅街の中でスコンと抜けた窓から見える空が気に入って決めました。その次に暮らした180人が暮らす大きなシェアハウスは、静かに仕事のできる地下のワーキングスペースと澄んだ空気の中でスカイツリーが微かに見える屋上がお気に入りでした。毎朝「いってらっしゃい」と子どもにも声をかける管理人さんの声が微笑ましい家もありました。
そして今暮らしているのは築52年のコーポ。いい具合にリノベーションされていて、古いけど、西向きに広がる窓から夕焼けやゆっくりと動く月をながめられる、落ちつく場所です。
どの家も好きなところがたくさんあるけど、あえて「住んでいるときの幸福度が高かった場所」と考えてみると、二つの場所が思い浮かびます。築55年の一軒家と、築52年のコーポ。こうして書くと、「古くて味のあるものが好き」という私の嗜好に合っているんだろうなと思うのですが、小澤良介さんの「なぜデンマーク人は初任給でイスを買うのか?」を読んで、もう一つ共通点に気づきました。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「とにかく国全体が穏やかで、オシャレで、人々が幸せな顔をして暮らしている国」
家具の取引先の開拓のためにデンマークを訪れたときにそう感じたという、リグナ株式会社代表の小澤さん。繰り返しデンマークを訪れるうちに「空間=暮らしの質=心の豊かさ」であると感じるようになったと言います。
「たとえば、大切にしているものに傷がついたとします。
多くの日本人は『この傷をどう直そうか』と考えます。
それに対してデンマークの人々は『この傷をどう残そうか』と考えるのです。」
と、根本的に「もの」に対する考え方の違うデンマークの人々。
「北欧モダン」というジャンルが確立され、世界的なインテリアデザイナーも多数輩出してきていますが、その根底にあるのは「家具は大切な財産」「自分や大切な人が快適に暮らすための空間にお金を使う」という考え方。そして、デンマークの家具・空間づくりのもう一つの前提となっているのが「人のために」という視点です。
「人生を好転させる『空間』の活かし方」という副題の通り、この本は「人生の質を上げる」ことにつながる家の中の空間づくりについて書かれています。それも、「こんなふうにできたらいいな。でもうちではちょっと難しいよね。」という現実離れしたものではなく日本人のライフスタイルを前提としていて、玄関から床・壁・水回り、そしてバルコニーと具体的な提案が満載です。
そこに共通するのは「訪れた人への気遣い」。
たとえば、「玄関にイスを置く」こと。靴を脱ぐ文化があるにもかかわらず、段差のない欧米スタイルの住宅が増えた中で、「お客様が靴を履いたり脱いだりするときの気遣い」としてイスを置く。見た目のかっこよさや自己満足ではない、ともに時間を過ごす人にとっての心地よさ心を向ける、そんな視点が随所にあふれています。
「時間と空間を共有する人がいて、その人が感動してくれると、二人分の贅沢な時間を味わうことができる」という小澤さんの言葉に、私はとても共感します。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ふりかえってみると、幸福度が高いなあと感じる場所のもう一つの共通点は「よく家にひとが遊びにきている(いた)」ということでした。
もちろん、そのときの仕事や人間関係などなどいろんな要因はあるし、「心地いい家だからひとにも遊びに来てほしい」ということもあったかと思うけど、事実として、今の家もそして以前住んでいた古い一軒家も、たくさんの友人が遊びに来てくれていました。
寒い日にこたつでお鍋を囲んだり、お茶を飲みながらゆっくりと動く月を眺めたり。
そんな時間はとても幸せで、自分を良く見せるものを手に入れるためにお金を使ったときとは違う、じんわりとしたあたたかいものが心の中に生まれてくることを実感します。
「ひとの心の幸せを決めるのは、持っているものの量でも、稼いでいるお給料の額でもない気がするな。」ちょうどそんなことを思っていたところに、小澤さんの実体験と「空間づくり」を通した幸せのエッセンスはすーっとしみ込んで来ました。
と、一足先に読ませていただいた「なぜデンマーク人は初任給でイスを買うのか?」。
この本の発売記念イベントをこのたび天狼院STYLE表参道で開催することになりました。
「自分のスタイルを見つける」というこの場所のコンセプト、そして「洋服や書籍だけでなく、ライフスタイル自体の提案をしていきたい」という私たちの想いとも重なるこのイベント。
当日は、小澤さんのこれまでの道のりや実際に大切にしていることはもちろんのこと、日常の中に取り入れられる工夫もたくさんお話しいただけることでしょう。
「インテリアは人生を変える」
「何となく変えたい」とモヤモヤしている方も、来たる2016年をさらに加速させたい方も、そして純粋に「もっと心地いい空間をつくりたい!」と思っている方も、ぜひご参加ください。
【概要】
日時:11月25日(水)
19:00 開場・受付開始
19:30 開始
21:00 終了
参加費:3,000円
* 加えて「なぜデンマーク人は初任給でイスを買うのか?」をご購入ください。
(事前に購入された方は当日書籍をお持ちください。)
定員:40人
場所:天狼院STLYE表参道 〒150-0001 東京都渋谷区神宮前4-9-8
会場は表参道になりますのでご注意ください。
【お支払い方法】
「Peatix」による事前決済制(当日お席がございましたら店頭お支払いも受け付けさせていただきます。)http://peatix.com/event/126747
【プロフィール】
小澤 良介(おざわ りょうすけ)
リグナ株式会社、代表取締役社長。1978年生まれ。愛知県出身。明治大学在学中に個人事業主として起業し、卒業と同志に創業。アートレンタル事業や内装業を手がけ、2004年にはデザイナーズ家具オンラインショップ「リグナ」をオープン。現在は東京にカフェやグリーンショップ併設の300坪を超える大型インテリアショップ、福岡には古民家をリノベーションしたインテリアショップをオープンしている。近年は、家具の通信販売以外に、空間プロデュースの分野でも活躍。ドバイの5ツ星ホテル「ラッフルズ」の最上階のレストラン「tomo」のインテリア監修など。また、上場企業のブランディングや、多数のドラマのインテリア監修など、精力的に活動の幅を広げている。
著書に「100%、「好き!」を仕事にする人生」(日本実業出版社)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2015年9月12日 天狼院「天狼院STYLE表参道」がオープン致しました。
ファションブランド STYLE TOKYO friends’ home とのコラボ店。
皆様のお越しをお待ちしております。
ー「天狼院STYLE」とはー
天狼院の新しいブランド「天狼院STYLE」
このブランドは「自分のSTYLEを見つけることができる書店」というコンセプトで、様々な業態や他書店さんとコラボして新たな店舗を出していくブランドです。天狼院とコラボしたいというお店さんお待ちしております。
天狼院STYLE表参道 (STYLE TOKYO friends’ home内)
住所:東京都渋谷区神宮前4-9-8
時間:12:00〜20:00
【天狼院STYLE表参道へのお問い合わせ】
お問い合せフォーム
TEL:03-6914-3618