実在したミュンヒハウゼン男爵(1720–1797)の体験談をまとめた書として知られる『ほら吹き男爵の冒険』。
戦地へ、海の中へ、月へ……しかし、そのよく知られた日本語タイトルが示すように、その奇想天外な武勇伝は(おそらく)「ほら話」なのです!
荒唐無稽な話と承知しながら、世界中の人々は200年以上の間、男爵の調子のいい語りに耳を傾け、魅了されてきました。
テリー・ギリアム監督の映画『バロン』の原作としても知られています。
男爵の物語は、実はさまざまな形で出版されてきたのですが、一番有名なのは、ドイツの作家ビュルガー(1747–1794)がまとめた版です。
これには後年ギュスターヴ・ドレ(1832–1883)の迫力ある挿画が付き、その人気は不動のものとなりました。
今回、光文社古典新訳文庫で刊行された新訳は、このビュルガー版にドレの挿画全点を収録したものとなっています。
しかし、このビュルガー版が成立するまでの背景にも、小説のように奇妙ないきさつがあります。
男爵の物語はどのように伝承され、どのように変化・発展していったのでしょうか。
また、ビュルガー版出版当時まだ存命だった本当のミュンヒハウゼン男爵は、どんな思いだったのでしょうか。
今回の読書会では、新訳を手掛けられた翻訳者・酒寄進一さんをお迎えして、この稀にみる奇書の魅力をたっぷりと語っていただきます。
(聞き手:光文社古典新訳文庫・創刊編集長 駒井稔)
【プロフィール】
酒寄 進一(さかより・しんいち)
1958年生まれ。
ドイツ文学翻訳家。和光大学教授。
『犯罪』(シーラッハ)で2012年本屋大賞「翻訳小説部門」第1位を受賞。
ほかの主な訳書に『刑罰』(シーラッハ)、『深い疵』(ノイハウス)、『ベルリン1919 赤い水兵』(コルドン)、『ゲルマニア』(ギルバース)、『赤毛のゾラ』(ヘルト)、『春のめざめ』(ヴェデキント)など。
駒井 稔(こまい・みのる)
1956年横浜生まれ。
慶應義塾大学文学部卒。
’79年光文社入社。
広告部勤務を経て、’81 年「週刊宝石」創刊に参加。
ニュースから連載物まで、さまざまなジャンルの記事を担当する。’97 年に翻訳編集部に異動。2004 年に編集長。
2 年の準備期間を経て’06 年9 月に古典新訳文庫を創刊。
10 年にわたり編集長を務めた。
著書に『いま、息をしている言葉で。
――「光文社古典新訳文庫」誕生秘話』(而立書房)、『文学こそ最高の教養である』(光文社新書)、『私が本からもらったもの 翻訳者の読書論』(書肆侃侃房)がある。
【日時】
2021年11月25日(木)18:30~20:00
【会場】Zoom(オンライン)
※ご案内メールを当日までにメールでご連絡します。
メール配信日:11月22日・25日の2回
【参加方法】
本イベントは無料イベントです。どなたでもお申込みいただけます。
2021年11月4日(木)10:30~11月25日(木)17:30の間、下記より参加お申し込みを承ります。
▶視聴チケット(無料)はこちら(Peatixサイトが開きます。)
【注意事項】
*本イベントはZoomによる配信イベントです。当日店頭にご来店されてもご観覧いただけませんのでご注意ください。
*事前にZoomのバージョンが最新にアップデートされているかご確認の上ご視聴ください。
*お申込の際は、当日アクセスするアカウントと同じアドレスをご使用ください。
*配信はZoomのウェビナー機能というサービスを使用いたします。
*インターネット接続環境下のPCやスマートフォン、タブレットからのご視聴が可能です。
*視聴は登録制です。1名分のチケットで複数人がご登録されている場合はご連絡もしくは配信の停止を行うことがございます。ご注意ください。
*ご利用の通信環境により配信の遅延が起こる場合がございます。ご了承ください
【お問合せ】
紀伊國屋書店新宿本店代表 03-3354-0131