2021年12月16日(木)

松岡宗嗣さんトークイベント【身近な事例から考える「アウティング」問題】 『あいつゲイだって——アウティングはなぜ問題なのか?』(柏書房)刊行記念

【ジュンク堂書店 難波店】
「アウティング」という言葉を知っていますか?
「アウティング」とは、本人の性のあり方を同意なく第三者に暴露すること。
2015年8月に起きた「一橋大学アウティング事件」の報道により世間的にも知られるようになりました。
この事件の発端は、一橋大学大学院のロースクールに通うAが「ゲイ」であることを、同級生ZがクラスメイトのLINEグループに同意なく暴露したことにあります。
その後、心身に変調をきたしたAは、校舎から転落死しました。
翌2016年、遺族が学生Zと大学に対し損害賠償を求めて提訴。
2020年11月の控訴審判決では、本人の性のあり方を同意なく勝手に暴露するアウティングが「許されない行為」であることが示され、地方自治体だけでなく、国レベルでも大きな影響がありました。
本年11月25日は、この画期的な判決からちょうど1年にあたります。
また来年2022年4月からは、「パワハラ防止法」により中小企業でもアウティングの防止対策が義務付けされることになっています。
しかし、そもそもなぜ、性的指向や性自認といった個人情報の暴露が「命」の問題につながってしまったのでしょうか?
実は、一橋事件の前からこうした被害は起きていたし、現在も起きています。
学校や職場などの身近な人間関係において、また不特定多数に瞬時に情報を発信できてしまうネット社会においては、誰もが加害者にも被害者にもなり得るのです。
私たち一人ひとりが今、「アウティング」について知っておくべきこと、改めて考えておきたいことをまとめたのが『あいつゲイだって』(柏書房)です。
本トークイベントでは、同書の著者であり、「ゲイ」であることをオープンにしながら性的マイノリティに関する情報を発信する松岡宗嗣氏をお招きします。
日頃のコミュニケーションの場(例えば職場など)において、無意識の「アウティング」をしてしまわないための知識を身につけましょう。
同時に、「アウティング」が命の危険につながってしまうことの背景にある、この社会の差別的な構造を問い直す時間になれば幸いです。

【プロフィール】
松岡宗嗣(まつおか・そうし)
1994年愛知県名古屋市生まれ。
明治大学政治経済学部卒。
政策や法制度を中心とした性的マイノリティに関する情報を発信する一般社団法人fair代表理事。
ゲイであることをオープンにしながら、HuffPostや現代ビジネス、Yahoo!ニュース等で多様なジェンダー・セクシュアリティに関する記事を執筆。
教育機関や企業、自治体等での研修・講演実績多数。
2020年7月、LGBT法連合会・神谷悠一事務局長との共著『LGBTとハラスメント』(集英社新書)を出版。
近著に『「テレビは見ない」というけれど――エンタメコンテンツをフェミニズム・ジェンダーから読む』(青弓社)、『子どもを育てられるなんて思わなかった――LGBTQと「伝統的な家族」のこれから』(山川出版社)。
本作が初の単著となる。
※お客様へのお願い:ご来場の際は、マスク着用をお願い申し上げます。また、会場に、消毒用アルコール、手袋等を設置いたしますので、ご利用下さいませ。

■会場… 3階カウンター前特設会場。入場料無料(定員20名)
■受付… 3階カウンターにて。電話予約可(06-4396-4771)

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