昨年3月に名古屋入管の収容施設で死亡したウィシュマ・サンダマリさんの事件、日本の低い難民認定率の背景、収容施設で起きた数々の人権侵害など、長年の取材をもとに日本の難民・入管問題をまとめた、志葉玲著『難民鎖国ニッポン ウィシュマさん事件と入管の闇』(かもがわ出版)が刊行されました。
ウィシュマさんが死亡してから1年が経過しました。
これまで事件の検証が強く求められてきましたが、その真相はまだ解明されていません。
昨年6月、国会に提出された入管法改正案は、人権侵害であると市民からも大きな反対の声があがり廃案となりましたが、政府はまだこの法案を通すこと狙っているとも言われます。
そして、先月ロシアが開始したウクライナ侵攻をきっかけに何百万もの人が難民として国外に脱出しました。
これまで日本は難民受け入れについて多くの課題を抱えてきましたが、今、日本でもウクライナからの難の受け入れや、すでに日本で暮らす難民の保護を求める声がさらに高まっています。
いまこそ難民問題について理解を深め、入管問題を解決して誰もが人間らしく生きられる共生社会を実現について考える機会にしたく刊行イベントを開催します。
ゲストには、難民取材や紛争地取材の経験もある、著者でありジャーナリストの志葉玲氏、記者という立場で21年にはウィシュマさん事件、入管法、外国人労働者問題についても積極的に取材されてきた東京新聞社会部記者の望月衣塑子氏をおむかえします。
【プロフィール】
志葉玲(しば れい)
ジャーナリスト1975年、東京都出身。
番組制作会社をへて、環境、平和、人権をテーマにフリーランスジャーナリストとして活動。
イラクやパレスチナ等の紛争地での現地取材や、地球温暖化等の環境問題について、記事執筆や解説等を行ってきた。
入管問題も精力的に取材・執筆、Yahoo!ニュース個人での閲覧ランキングで上位常連。
わかりやすく多くの人々に読まれる記事とすること、その問題を深堀りし核心を突くレベルの高い記事とすることの両立をモットーとしている。
著書に『13歳からの環境問題』(かもがわ出版)、『たたかう! ジャーナリスト宣言』(社会批評社)、共編著に『 イラク戦争を知らない君たちへ』(あけび書房)など。
望月衣塑子(もちづき いそこ)
1975年、東京都生まれ。
東京新聞社会部記者。
慶應義塾大学法学部卒業後、東京・中日新聞に入社。
千葉、神奈川、埼玉の各県警、東京地検特捜部などを担当し、事件を中心に取材する。
経済部などを経て社会部遊軍記者。
2017年6月から菅官房長官の会見に出席。
質問を重ねる姿が注目される。
そのときのことを記した著書『新聞記者』(角川新書)は映画の原案となり、日本アカデミー賞の主要3部門を受賞した。現在は、入管や外国人の労働問題などをテーマに取材を続けている。
著書に『報道現場』『武器輸出と日本企業』『同調圧力(共著)』(以上角川新書)、『自壊するメディア(共著)』(講談社+α新書)など多数。