「いったいどうしたらいいんだ・・・」
遠く離れたアメリカの地で、私はすっかり途方に暮れていました。
天狼院スタッフの海鈴です。
そのとき私は留学をしていて、ある事柄について、圧倒的に欠けているものがあることを自覚し始めていました。
現地の学生と雑談をするたびに、かならず少なくとも一回はその事実を突きつけられました。
一瞬でも私の頭の上にその思いが浮かんでしまうと、そこからは一気についていけなくなる。
やっと相手が話し終わっても、どんな言葉を継げばいいのか、すぐに出てこないことがしばしばでした。
そのたびに、痛切に思い知るのです。
自分の語彙力の少なさを。
そう、私に欠けていた「あるもの」。
それは、語彙やイディオム、決まり文句などといったフレーズのストックの量でした。
はじめは、会話をしていると、少なくとも1回はわからない言葉が出てくるのです。
「それってどういう意味?」とすぐに聞ける状況ならまだしも、相手や状況によって、そうとも限らない。
えーと、今、向こうは◯◯って言ったな。これは・・・あっ! 思い出した、こういう意味だった!
つまり相手が言いたいことは・・・こういうことか!
なんてことを頭の中でやっている間に、相手はどんどん話を進めてしまっていて、いつのまにか何の話をしているのかサッパリ。
あれー!? こんなはずじゃなかったのに!
とっさの相づちや、ふとした間を埋める表現ほど難しいことも、わかってきました。
日本語ならいくらでも「えーっと」や「分かるー!」などといった何気ない会話をしているのに。
英語になったとたん、そんな簡単なフレーズも言えない自分が、もどかしいのです。
もともと、日本語じゃ交流できない人と思いを交わすことを楽しむのが会話の目的のはず。
なのに、英語で話せば話すほど、自分の自信がなくなっていきました。
フレーズのストックを求めた私が出会ったのは、物語です。
村上春樹の『ダンス・ダンス・ダンス』洋書版を、手に取りました。
日本語版でも大好きなこの作品。英語で読んでいても、なぜか日本語のセリフが思い出されて、すっと頭に入ってきました。
何が良かったかって、私が内容をもともと知っていることでした。
だから、英語で文章を読みながら、わからない単語が出てきても、文脈からある程度予想ができる。
その予想をもとに実際に調べてみると、けっこう合っていたり、時には合っていなかったりする。そうすると、内容はもともと分かっているので、物語とすぐに結びつけて覚えることができたのです。
英語だからって、読みにくいなんてことはまったくありませんでした。
だって、自分に馴染みのある物語なんですから。
主人公の言い回しも、英語だとまた独特で面白いのです。
へえー、この日本語って、英語だとこういう風に置き換えられるのかー! と、ワクワクしながらページをめくるのです。
本を読みながら出てきた、わからなかったフレーズリストを集めて、これだけはまず覚えるようにしました。
こうして、本から得た単語は、日常の英語にとっても結びつきやすい。
それまで一切自分が使わなかったような単語なのに、いつのまにか、私は会話でその単語を使うようになっていました。
あれ? どうしてだろう。
どうしてこんなにも自然に、単語が自分のものになってるんだろう?
答えは明白です。
自分が好きなものと結びついた英語だったから。
なぜ、ふつうの単語帳ではなかなか覚えることができないのか。
それは、あなたの興味と、英語が重なっていないからかもしれません。
* * * * *
天狼院書店は、ご存知の通り「書店」。
私たち書店だからこそできるスペシャルな英語の講座を、ご用意することができました。
それが
「英語ゼミ 文学de英語」
です!
ゼミ、ということで、以前の部活よりさらにランクアップ。
3ヶ月の長期間にわたって、より深く、がっつりと学ぶ人のためのスペシャルコースとなっております。
講師は、英語通訳・翻訳家として活躍する、石川奈未 先生です!
どうでしたか? とっても分かりやすかったですよね!
こんなふうにBeautifulな英語でレッスンをしている先生が、今回、英語ゼミに来てくださることになりました!
気になる内容は、「英語de文学」。
実は石川さん、大の映画好き!
有名な名作はそのほとんどが、もともと原作があって、それが映画化されたものばかりなのです。
なので、原書を読むこの企画も、とっても面白いことになりそう! 先生も天狼院も、ワクワクしております!
このゼミでは、有名な文学作品の原書を読み込み、出てくるフレーズ・単語・表現を自分のものにします。
文学を読み込むだけでなく、実際にロールプレイを取り入れながら身体で英語を使えるように覚えていきます。
分かりにくいところも皆さんと一緒にきちんと解説をしながら進むので、かなり深く読解できる時間なのです!
作品は、「レ・ミゼラブル」「ロミオとジュリエット」「赤毛のアン」「あしながおじさん」などなど・・・
この中のどれかは馴染み深い作品があるのではないでしょうか?
原書を読み込んだあとは、皆さんそれぞれ映画を見て復習、セリフを言ってみる・・・なんてことをしてみても、よいかもしれません。
これを、3ヶ月間かけてじっくり・みっちり、読み込みます。
終わったころには、出てくるフレーズはばっちり頭に入っていて、言葉が自分のものになっていると思います!
ふだんの英語での会話にも、たとえばテストにもapplyできるのです!
それに、一冊まるまる原書を読むなんて、なかなかできないことじゃないでしょうか?
読み込んだという事実は、何より自信になります。
読み終えたころには、きっと次のステップは何にしよう? とワクワクしていることと思います!
まさに、原書は最高の読書体験。
今回のキックオフは、オリエンテーションのような感じで皆さんに内容を触れてもらいます。
さらに、ゼミでどんな本を取り扱って欲しいか、英語学習にどんな懸念点があるのか、発表していただきます!
1月から始まるゼミでは、ここで出た皆さんの声を取り入れたカリキュラムを展開します。
ゼミの予定は、以下のスケジュールを予定しています!
<全6講>
第1講:1月23日(土)10:30〜12:30
第2講:1月30日(土)10:30〜12:30
第3講:2月6日(土)10:30〜12:30
第4講:2月20日(土)10:30〜12:30
第5講:3月5日(土)10:30〜12:30
第6講:3月19日(土)10:30〜12:30
ぜひ、遠慮なく要望をお聞かせいただければと思います。
2016年もいよいよスタート。
「英語の原書、読み切った」
って言えたら、かっこいいですよね!
一緒に楽しく学びながら、日常的に英語に触れて、英語力をアップさせていきましょう!
そして、より豊かな2016年を送れるように。
英語を通じて、本の先の体験『READING LIFE』を、皆さまにお届けいたします!
ご参加お待ちしております!
【概要】
日時:2015年12月23日(祝水)
16:45 受付開始
17:00 ゼミキックオフ
19:00 終了
定員:20名様
参加費:3000円(当日会場でお支払いください)
*本イベントはCLASS天狼院「プラチナクラス」の方は半額で参加できます。
→http://tenro-in.com/tsushin/15866
*年パスをお持ちの方:1500円
場所:天狼院書店「東京天狼院」
【お申込はチケット販売サイト「Peatix」または「店頭」にて事前にお受けいたします】
【講師】石川奈未(いしかわ・なみ)
英語通訳・翻訳・英会話レッスン主宰。
10歳から英語に魅了され、筑紫女学園高校卒業後、津田塾大学国際関係学科に入学。
南アフリカのアパルトヘイト後の多言語主義について研究し、単身ケープタウンにてフィールドワークを行う。英文で卒論を執筆するも、在学中も以降も留学経験はナシ。通訳学校とのダブルスクールなどでスキルを学び、4年時に国際映画祭のVIP付き通訳としてデビューする。
卒業後はフリーで国際商談、海外開発プロジェクトなどでの通訳、報道機関のニュースやビジネス関連の資料翻訳などの分野で活躍する一方、アーティスト、外資系企業社員など幅広い生徒のニーズに合わせ、実践的英会話を個人レッスンで教えている。
著作:『24時間でマスターする英会話』(光文社)
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