展示だけではなくブックでの発表にもこだわりを持つ作家もますます増えてきています。フォトブックならではの魅力とは何でしょうか。
写真は元々印刷・複製を前提として成り立っており、近年では自分で撮影したものではない写真を編集したフォトブックも一般的になってきています。
フォトブックは単に写真を本の形にまとめただけのものではなく、編集やデザインも含めそれ自体が一つの作品と言っても過言ではありません。
昨年注目されたフォトブックでも、あえてネガとポジを反転させる、写真を直接貼り付ける、ボックスに詰め合わせる、ページごとに版型を変えるなど、コンセプトをうまくブックデザインに昇華させたものが高い評価を得ていました。
日本ではフォトブックに焦点を当てたアワードはあまり知られていないかもしれません。
しかし世界に目を向けると、aperture財団が主催するパリフォトのフォトブックアワードを始めとして、ヨーロッパを中心とした写真のフェスティバルで開催されるアワードの動向にコレクターやキュレーターが熱い視線を注いでいます。
他にも、「TIME」や「the gurdian」などの大きな新聞、写真集を愛する世界中の人々が参照するポータルサイト「photo-eye」などが、年度末にベストフォトブックを発表しています。
本フェアでは、2015年に各国のアワードやベストブックに取り上げられた写真集に加え、フランスのRVB BOOKSと日本のスーパーラボという世界的に注目されている2つの出版社に焦点を当ててコメント付きで紹介します。
若手から著名な写真家まで、アイデアに溢れたフォトブックの実物をぜひご覧ください。