2016年3月25日(金)

【哲学カフェ】福岡と東京を生中継でつないで初開催! 『子どもの哲学 考えることをはじめた君へ』(毎日新聞出版刊)重版出来記念!日常のなかに眠る問いを考える「哲学カフェ」テーマ「友だちはたくさんつくるべき?」《初参加/聞くだけOK》

こんにちは天狼院書店スタッフの山中です。
3月25日(金)『子どもの哲学 考えることをはじめた君へ』(毎日新聞出版刊)重版出来記念!東京天狼院、福岡天狼院にて「哲学カフェ」開催いたします!

ーー天狼院書店とはーー
天狼院書店は小さな書店ではありますが
『READING LIFE』をテーマにかかげ、本を読むだけでは得られない「体験」を提供しております。
代表的なものが部活、ゼミなどのイベントの開催!お客様を中心としてさまざまな催しをしております。
2013年9月 東京池袋に1号店がオープン。
2015年9月 表参道、福岡の今泉にオープン。
2016年夏 京都天狼院 オープン予定

ーー「哲学カフェ」とはーー
身近な問いについてみんなで対話を行い、その問いを深めていくグループワーク形式の会。“何を言ってもいい”環境の中でお互いに考えを述べ合えること。道徳や他人の意見に引っ張られることない自由な発言の場だからこそ、“ほんとうに考える”という体験をできることが魅力。

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高校一年生の時、彼女は私の後ろの席に座っていた。
一際きれいな顔立ちに、細身のメガネがよく似合う。
その頃は、もっぱら短いスカートがはやっていて、女子校の中でも特に校則が厳しかった私の学校では放課後になり、先生の目が離れるととみんなが一斉に様々な手段でスカートをたくし上げていた。
しかし、彼女はそんなことには目もくれず、膝より下の丈のスカートを揺らしながら一目散に教室を後にする。

「不思議な子だな」と思った。「話してみたい」と思った。
プリントを後ろに回す時。掃除当番の時。何か口実を見つけては私は彼女に話しかけた。
1ヶ月、2ヶ月も経つと、私はそのことよく話をするようになっていた。学校外で遊ぶ約束をするというわけでもなかったが、私たちは「友達」だった。
彼女の不思議な魅力に惹きつけられる子は私以外にもいて、友達も多くいるようだった。それでも彼女が終礼が終わるとともにそそくさと一人で帰ってしまうことは変わらなかった。

夏休みがついに明日に迫ったある日。教室中がみんなワクワクしているのがわかるほど、終礼中落ち着きがなかった’。
毎日学校で顔を合わせてはいるものの、休日中どこで何をして遊ぶかという話題で持ちきりだったのだ。
やれ海に行こう。プールに行こう。買い物に行こうなど、みんながみんな友達と過ごす休みが待ち通しい様子だ。
そんな中でも彼女の行動はいつもと全く変わらない。
先生の話を片耳に聞きつつ、テキパキと帰り支度を整えている。

そんな彼女に
「夏休みは何して過ごすの?」と友人の一人がきいた。
つまりは、誰とどんなことをして遊ぶの?こう聞いたつもりだったのだろう。しかし、彼女から帰ってきたのは意外な一言だった。

「一人でいると思う。休みの日まで友達といたらもったいないもん」

その答えに、驚いた。
そんな考え方は今まで、私の中になかったものだったからだ。
いろんな友達がいて。いろんな出会いがあって。いろんな経験をして。それを友達と分かち合って。
友達と過ごす時間こそが一番にかけがえのないものだと思っていた。「友達はたくさんつくるべき」と思っていた。

しかし、それは絶対的な考えではなかった。

その彼女にとっては、本を読んだり、音楽を聴いたり、一人の時間が大切という考え方があった。「友達は少数でいい」と思っていたのだろう。

そうだ「友達をたくさんつくるべきか」という問いに答えは
教科書にはもちろん載ってないし、誰かが正解を知っているわけでもない。
それぞれに自分の答えを持っているかもしれないし、全員が全員納得するまで考えられているわけでもない。
この問いに答えは”ない”のだ

その問いに気づくこと。自分とは違う考えを知ることは私にとって、本当に貴重な経験となった。
自分の考えを見つめ直すことができたし、考え方を深めることができた。考えるって面白いものだ。と思った。
これをきっかけに、私は本を読む時間を大切にするようになった。友達と遊んで経験する時間は大切だけれど、それとは別に一人の時間でしか得られないものがあると知った。
それで書店員になっているのだから面白いものである。

そう考えてみると、答えのない問いは世の中に溢れている。
「仕事ができるってどんな人?」
「ふつうって何?」
「どうして生きものは病気になるの?」
「幸せって何?」……
これらに絶対的な答えはないかもしれない。でも誰しもが答えを一度は考えたことがある。
考えて、考えて自分を見つめ直す。他の人の考えを聞いて新たな発見をする。
これによって、何か大切なものが見つかることがきっとあるのかもしれない。

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こんにちは。天狼院書店スタッフの山中です。
みなさんは「答えの無い問い」を考えたことはありますか?
私はあります「どうして?どうして?」と親を困らせていた記憶があります。笑

絶対的な答えは無いけれど、人それぞれに考えがある。
それぞれの考えを共有することで、自分を見つめ直すことができるかもしれないし、新たな発見があるかもしれない。
そこで、今回毎日出版社『こどもの哲学』重版を記念して!著者の先生をお招きして天狼院書店にて、『哲学カフェ』を開催いたします!

「哲学カフェ」とは、身近な問いについてみんなで対話を行い、その問いを深めていくグループワークのようなものです。ただ一つ決定的に違うのは、“何を言ってもいい”環境の中でお互いに考えを述べ合えること。道徳や他人の意見に引っ張られることない自由な発言の場だからこそ、“ほんとうに考える”という体験をできることが魅力です。

しかも!今回は「天狼院LOAD」を使用しての特別企画!東京天狼院、福岡天狼院を生中継でつなぎ開催いたします!東京のお客様の考え。福岡のお客様の考え。著者の先生方の考え。これらが混ざり合った時、どんな考えがそれぞれに生まれるのか!
「哲学カフェ」参加したことがない!
考えを述べるのは気がひけるけれど、人の考えを聞いてみたい!
福岡と東京をつないだイベントに参加してみたい!
などなど、どんな方も大歓迎です。
平日夜、哲学カフェを通して自分を見つめ直してみませんか?
皆様のご参加お待ちしております!

【概要】
日時:3月25日(金)
19:00 開場・受付開始
19:30 講師紹介
19:45 東京ー福岡をつないでの「哲学カフェ」開始
21:30 閉会
会費:一般 2,000円 +ワンオーダー
*加えて、『子どもの哲学 考えることをはじめた君へ』(毎日新聞出版刊)をお買い求めください。すでにご購入の方は必ずお持ちください。
*プラチナクラス方は半額で参加いただけますが、著書をお買い求めください。
定員:東京、福岡各15名様
*基本的に定員になり次第〆切ますので、お早めにお申込みください。
場所:天狼院書店「東京天狼院」「福岡天狼院」
【注意事項】
・参加者への他のイベント、セミナー、グループ、店、企業、その他への勧誘は固く禁じます。また、勧誘を見かけた場合はスタッフまでご一報ください。
【お支払い】
「Peatix」または「店頭」による事前決済制
※お支払いが確認出来次第、受付完了となりますのでご注意ください。
(当日お席がございましたら店頭お支払いも受け付けさせていただきます。)

【登壇者プロフィール】
土屋陽介(つちや・ようすけ)
東京都生まれ。千葉大学大学院社会文化科学研究科博士課程単位修得退学。専門は子どもの哲学・哲学教育・現代哲学。現在、立教大学兼任講師、開智中学・高等学校「哲学対話」担当。NPO法人「こども哲学 おとな哲学 アーダコーダ」理事。共訳書にシャロン・ケイ&ポール・トムソン著『中学生からの対話する哲学教室』、マシュー・リップマン著『探求の共同体 考えるための教室』ほか。

村瀬智之(むらせ・ともゆき)
東京都生まれ。千葉大学大学院人文社会科学研究科修了。博士(文学)。専門は現代哲学・哲学教育。現在、東京工業高等専門学校一般教育科准教授。共訳書にシャロン・ケイ&ポール・トムソン著『中学生からの対話する哲学教室』、マシュー・リップマン著『探求の共同体 考えるための教室』。

神戸和佳子(ごうど・わかこ)
長野県生まれ。東京大学文学部思想文化学科倫理学専修課程卒業。現在、東京大学大学院教育学研究科総合教育科学専攻基礎教育学コース在学。また、東洋大学京北高等学校で非常勤講師として倫理を担当している。共訳書にマシュー・リップマンほか著『子どものための哲学授業 「学びの場」のつくりかた』。

【お申込はチケット販売サイト「Peatix」または「店頭」にて事前にお受けいたします】

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TEL:03-6914-3618

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