若松英輔さん講演
「信仰の叡知 井筒俊彦と仏教」
晩年の井筒俊彦の業績の一つに、仏教に生きている形而上学の伝統への考察がある。
『意識と本質』における空海、道元、そして禅の存在論、『コスモスとアンチコスモス』における華厳とプロティノス、あるいは華厳とイスラーム神秘主義、あるいはイスラーム神秘主義と道元における時間論の考察などがある。また、井筒の最晩年の仕事は『大乗起信論』における意識論への追究だった。
信仰が深化し、哲学に変じる場所から井筒は最後まで眼を離さない。それは、彼が若き日の代表作『神秘哲学』で会得した思索の態度だった。
今回の講演で井筒のコトバをたよりに、私たちにおける今日の「仏教哲学」の可能性をめぐって考えてみたいと思っている。
若松英輔(わかまつ・えいすけ)
1968年生まれ。慶應義塾大学文学部仏文科卒業。批評家、思想家。読売新聞書評委員、『三田文学』編集長。2007年「越知保夫とその時代 求道の文学」で、第14回三田文学新人賞評論部門当選。
主な著作に、『井筒俊彦 叡知の哲学』(慶應義塾大学出版会)、『神秘の夜の旅』『魂にふれる 大震災と、生きている死者』『死者との対話』『池田晶子 不滅の哲学』(ともにトランスビュー)、『内村鑑三をよむ』 『岡倉天心「茶の本」を読む』(ともに岩波書店)、『涙のしずくに洗われて咲きいづるもの』『君の悲しみが美しいから僕は手紙を書いた』(ともに河出書房新社)がある。
日時:2014年9月16日(火)19:00~20:30(開場 18:30)
場所:新宿本店8階イベントスペース
参加費:無料
ご予約:8月20日~
店頭およびお電話にてご予約を受け付けます。
※ご予約は新宿本店3Fカウンターにて受け付けます。
※3F直通電話番号03-3354-5703
定員:45名
※定員数に達しましたら受付を終了させていただきます
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