【日本農芸化学会】
生命・食糧・環境のためのバイオサイエンスおよびバイオテクノロジーの研究を行う日本農芸化学会では、学会の最新の成果を社会に向け発信する広報活動の強化を重要な責務のひとつとして考えています。
その一環として、サイエンスカフェを現代の有効な科学コミュニケーションの場と考え、学会の研究者によって研究の成果を社会に発信することになりました。
三省堂サイエンスカフェにおきましても、同会の趣旨・企画に賛同し、日本農芸化学会シリーズを共同開催することとしました。
テーマ:微生物からのすばらしい贈り物
開催日時:2016年4月23日(土)
開催時間:午後3時から4時10分まで
開催場所:三省堂書店神保町本店2階 UCC カフェコンフォート
参加料:500円(ドリンク代を含む)
講師:東京大学 生物生産工学研究センター
細胞機能工学研究室 准教授 葛山 智久 氏
コーディネーター:毎日新聞科学環境部 西川 拓 氏
共催:日本学術会議農芸化学分科会
【テーマの内容】
2015年のノーベル生理学・医学賞。寄生虫による感染症治療に有効な薬をつくる微生物を発見した北里大学・特別栄誉教授の大村智博士に授与されました。大村博士が長年研究対象にしてきたのは、「放線菌」と呼ばれる微生物の仲間です。抗生物質をはじめとして、薬のもとになる様々な化学物質をつくることが知られています。そのような微生物は肉眼で観察するには小さすぎるので、通常その存在を意識することはないかもしれません。しかし、実は皆さんの周りのいたるところに棲んでいるのです。例えば、林の中などに積もった腐葉土の中などにたくさんいます。では、そのような有用な微生物を見つけるにはどうすれば良いのでしょうか。また、微生物からどうやって有用な化学物質を取り出すのでしょうか。さらには、微生物は、どうやってそのような化学物質をつくるのでしょうか、などと疑問に思われる方もおられると思います。このサイエンスカフェでは、このような皆さんの疑問に答えるとともに、小さな微生物が与えてくれるすばらしい「贈り物」についてご紹介します。参加者の皆さんと、今後の微生物研究に寄せる期待についても討論したいと思います。
講師略歴
東京大学 生物生産工学研究センター
細胞機能工学研究室 准教授 葛山 智久 氏
平成7年3月 | 東京大学大学院農学生命科学研究科応用生命化学専攻博士課程修了 博士(農学)の学位取得 |
平成7年4月 | 東京大学分子細胞生物学研究所 助手 |
平成16年2月 | 東京大学生物生産工学研究センター 助教授 |
平成19年4月 | 東京大学生物生産工学研究センター 准教授 |
【授賞歴】
平成10年5月 日本放線菌学会浜田賞
平成12年11月 天然有機化合物討論会奨励賞
平成13年3月 日本農芸化学会農芸化学奨励賞
平成18年4月 文部科学大臣表彰若手科学者賞
平成23年2月 日本学術振興会賞
平成23年3月 日本学士院学術奨励賞
平成27年9月 日本放線菌学会賞