登場人物の心理描写に重点を置く「心理小説」は、いわばフランスの恋愛小説の伝統。ラクロ『危険な関係』、コンスタン『アドルフ』、ラディゲ『ドルジェル伯の舞踏会』などが有名ですが、スタンダールやプルースト、ジッドなどの作品にもその伝統は受け継がれています。これら心理小説の嚆矢といえる作品こそ、宮廷に身を置くラファイエット夫人(1634-1693)が当初匿名で発表した小説『クレーヴの奥方』です。激しい恋愛感情に悩みながらも、自分の意志を貫き、誇り高く生きる女性の姿を生き生きと描いた本作は、洋の東西を問わず大きな影響を与え、何度も舞台化・映画化されています。いまもなお輝きを放つ本作の魅力について、フランス文学翻訳者の永田千奈さんにたっぷりと語って頂きます。
(聞き手:光文社古典新訳文庫編集長 駒井稔)
光文社古典新訳文庫が紀伊國屋書店電子書店KINOPPYとコラボレーションして開催するReaders Club読書会(Reading Session)第18弾です。
○日時:2016年6月23日(木)18:30~ (開場18:15)
○場所:紀伊國屋書店新宿本店 8階イベントスペース
○定員:50名 ※定員に達し次第、受付を終了させていただきます。
○参加費:無料
○参加方法:2016年6月4日(土)午前10:00時より2階レジカウンターにてご予約を承ります。お電話でのご予約も同日より承ります。
○お問い合わせ・ご予約 新宿本店2階カウンター 03-3354-5702
★当店に繋がる他の電話番号におかけになられても、ご予約は承れませんのでご注意下さい。
*イベントは1時間30分~2時間程度を予定しております。トーク終了後ご希望の方には永田先生の著書・翻訳書にサインをお入れします。
*19:30以降の入場はお断りさせて頂く場合がございます。あらかじめご了承ください。
永田千奈(ながた・ちな)
東京生まれ。翻訳家。早稲田大学第一文学部フランス文学専修卒。主な訳書に『海に住む少女』『ひとさらい』(シュペルヴィエル)、『女の一生』(モーパッサン)、『孤独な散歩者の夢想』(ルソー、以上、光文社古典新訳文庫)、『ある父親』(シビル・ラカン)、『それでも私は腐敗と闘う』(イングリッド・ベタンクール)、『サーカスの犬』(リュドヴィック・ルーボディ)、『印象派のミューズ』(ドミニク・ボナ)など。