2016年8月6日(土)

細馬宏通著『介護するからだ』(医学書院)刊行記念 「そっちの世界」のおもしろさ かしこい身体はどこにある?

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開催日時:2016年08月06日(土)19:30〜

細馬 宏通(滋賀県立大学人間文化学部教授)
伊藤 亜紗(東京工業大学リベラルアーツ研究教育院准教授)

“目利き”として知られる人間行動学者の細馬宏通氏は、ある時から認知症高齢者のグループホームに通い詰めることになりました。会話分析、ジェスチャー研究等、これまで研究してきたことが一挙に、目前で、毎日のように繰り返されていたからです。この夢のような状況に感激した細馬氏は、ベテランケアワーカーの「神対応」からピント外れゆるふわ介護まで、あらゆる動作をビデオに収めて一コマ一コマ分析してみました。そこで発見された「驚きの身体」が、新刊『介護するからだ』
には生き生きと描写されています。

一方、美学と現代アートを専門とする伊藤亜紗氏は、視覚障害者の語りに魅了されました。そこには「健常者」の世界にはない身体の使用法がありました。もし椅子の1脚が折れたら残り3脚の位置をずらせばバランスが取れるのと同じように、障害をもつ人は自らの身体を改変して世界に適応しているのだと伊藤氏は言います。『見えない人は世界をどう見ているか』(光文社新書)は、こうした発見がそこかしこに散りばめられた名著です。

細馬氏は動物行動学、伊藤氏は生物学と、「理系出身」という共通点はあるものの、長いあいだ別ジャンルで身体について研究してきたおふたり。今回が初顔合わせです。
それぞれの立場から「ここではない世界」を訪れる恍惚と歓びを語っていただきましょう。そして、お互いの仕事から新しくどんな身体を発見するのでしょうか?

細馬宏通(ほそま・ひろみち)
1960年、兵庫県生まれ。京都大学大学院理学研究科博士課程修了(理学博士/動物学)。現在、滋賀県立大学人間文化学部教授(コミュニケーション論)。著書に『浅草十二階――塔の眺めと“近代”のまなざし』(青土社)、『ミッキーはなぜ口笛を吹くのか――アニメーションの表現史』新潮社、『今日の「あまちゃん」から』(河出書房新社)、『うたのしくみ』(ぴあ)、など。バンド「かえる目(もく)」では、ボーカルと作詞・作曲を担当。

伊藤亜紗(いとう・あさ)
1979年、東京都生まれ。東京工業大学リベラルアーツ研究教育院准教授。専門は美学、現代アート。もともと生物学者を目指していたが、大学3年次より文系に転向。東京大学大学院人文社会系研究科美学芸術学専門分野博士課程修了(文学博士)。研究のかたわら、アート作品の制作にもたずさわる。主な著作に『ヴァレリーの芸術哲学、あるいは身体の解剖』(水声社)、参加作品に小林耕平《タ・イ・ム・マ・シ・ン》(国立近代美術館)などがある。

★入場料はドリンク付きで1000円です。当日、会場の4F喫茶受付でお支払いくださいませ。
※事前のご予約が必要です。1階サービスコーナーもしくはお電話にてご予約承ります。
※トークは特には整理券、ご予約のお控え等をお渡ししておりません。
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