2016年9月29日(木)

作品図鑑『69』刊行記念企画 岡本光博 × 都築響一 × 工藤健志 ちょっと、最近、漂白しすぎじゃない? ~美術家、編集者、学芸員が考える岡本作品と日本の美術の今。

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《バッタもん》や《UFO-unidentified falling object (未確認墜落物体)》が代表作として知られる、現代美術家 岡本光博さんが、9月10日から神楽坂のギャラリーeitoeikoにて個展「69」を開催するとともに、はじめての作品集『69』を刊行します。これまでに制作した約2000点以上に及ぶ作品から、厳選した69点を収録した一冊です。

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そんな本書の刊行を記念して、岡本光博さん、ゲストに都築響一さん、そしてモデレーターに岡本さんの個展のキュレーションをされた、青森県立美術館学芸員の工藤健志さんをお迎えし、岡本作品の魅力に迫ります。

「最近、漂白されがちな展覧会に出会いがち」と都築さん。
確かに、近年、ワイセツ、著作権、政治的などさまざまな理由で、作家の古今を問わず、展示されなかったり、撤去要請されたり、改変を求められたりなどなど、さまざまなフィルターを通じて、美術が漂白される場面をよく耳にします。

しかし、そんな中、岡本さんは、時に検閲や規制という壁に立ち向かいながら、常に社会に切り込む作品を制作し続けています。そして、都築さんは圏外編集者としてさまざまなアーティストを発掘・応援しながら、ご自身でもアツコバルーでエロをテーマにした「神は局部に宿る」展を開催するなど、2人とも果敢に、そして勇敢に「美術」「表現」、そして「表現者たち」と向き合っています。

今回は、本トークのために厳選した岡本さんの作品を見ながら、その深淵に迫るとともに、美術家の岡本さん、圏外編集者の都築さん、そしてキュレーターの工藤さんの3人それぞれの視点から、美術の漂白についてお話いただくことで、日本の美術界の現在に切り込もうと思います。

今回のトークは漂白ゼロ。
3人の69なトークを乞うご期待!

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岡本 光博 おかもと・みつひろ
1968年京都生まれ。1994年滋賀大学大学院教育学修了。1994-96年アート・スチューデンツ・リーグ・オブ・ニューヨーク(USA)に在籍、1997~1999年CCA北九州にて研究と制作を行う。2001年からドイツでのレジデンスを中心に活動(インド、スペイン、ほか)。2004-06年台湾・沖縄を拠点に活動。2007年からは京都を拠点に作家活動とともに京都市内にギャラリー「KUNST ARZT」(2012年から)を運営。

国内外の多くの展覧会に参加。青森県立美術館「化け物」2015、ZKM(ドイツ) 「Thermocline of Art」 2007、滋賀県立近代美術館「コピーの時代」2004などでの美術館での展示のほか、企画に関った展覧会として、KUNST ARZT「ディズニー美術」2015、「モノグラム美術」2014、神戸ファッション美術館「ファッション綺譚」2010、プルショー城(ドイツ)+京都芸術センター他「Simple Beads and Cultured Seeds」2002などがあります。

岡本光博 WEBサイト
KUNST ARZT WEBサイト

これまで出演いただいたトーク
chim↑pom10周年&『ディズニー美術』(KUNST ARZT)刊行記念企画
岡本光博 × chim↑pom 稲岡求 × 作田知樹

都築響一 つづき・きょういち
1956年東京生まれ。ポパイ、ブルータス誌の編集を経て、全102巻の現代美術全集『アート・ランダム』(京都書院)を刊行。以来現代美術、建築、写真、デザインなどの分野での執筆・編集活動を続けている。93年『TOKYO STYLE』刊行(京都書院、のちちくま文庫)。96年刊行の『ROADSIDE JAPAN 珍日本紀行』(アスペクト、のちちくま文庫)で、第23回木村伊兵衛賞を受賞。その他『賃貸宇宙UNIVERSE forRENT』(ちくま文庫)、『現代美術場外乱闘』(洋泉社)『珍世界紀行ヨーロッパ編』『夜露死苦現代詩』『珍日本超老伝』(ちくま文庫)『ROADSIDE USA 珍世界紀行アメリカ編』(アスペクト)『東京スナック飲みある記』(ミリオン出版)『東京右半分』(筑摩書房)など著書多数。現在、個人で有料メールマガジン『ROADSIDERS’ weekly』を毎週水曜日に配信中。

ROADSIDERS’ weekly

工藤健志 くどう・たけし
1967年生まれ。青森県立美術館には準備室時代から在籍。専門は戦後日本美術。主な担当展に「山本作兵衛展」(96年)、「縄文と現代」(07年)、「ラブラブショー」(09年)、「Art and Air」(12年)、「成田亨 美術/特撮/怪獣」(15年)など。「造形集団 海洋堂の軌跡」(04年~、水戸芸術館、台北市立美術館他)、「ボックスアート」(06年~、静岡県立美術館他)といった巡回展のキュレーションも担当。近年は静岡県立美術館・村上敬氏、島根県立石見美術館・川西由里氏と3名で視覚文化研究を行う「トリメガ研究所」を結成し、「ロボットと美術」(10年)、「美少女の美術史」(14年)の2本の展覧会を企画した。他に、書籍『青森県立美術館コンセプトブック』(スペースシャワーブックス、14年)の編集執筆や、第19回~20回「文化庁メディア芸術祭」エンターテインメント部門の審査委員もつとめている。

青森県立美術館公式webページ(祝10周年!)

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電話受付
青山ブックスクールにてお電話で受付けいたします。参加される方のお名前、人数、連絡先をお伝えください。
03-5485-5513 (平日10:00~20:00)

メール受付
メールに下記の内容をご記入の上、青山ブックスクールまでお送りください。
件名 「岡本光博×都築響一×工藤健志」
内容 「お名前(よみがな)、お電話番号、メールアドレス、申込者数」の4点
宛先 culture@boc.bookoff.co.jp

概要
日程:2016年9月29日 (木)
時間:19:00~21:00 開場18:30~
料金:1,944円(税込)
定員:110名様
会場:本店 大教室

お問合せ先
青山ブックスクール
電話:03-5485-5513
メール:culture@boc.bookoff.co.jp
営業時間:平日 10時~20時 土・日・祝休み
住所:東京都渋谷区神宮前5-53-67 コスモス青山B2F 青山ブックセンター本店内

書籍情報
『岡本光博 作品図鑑69』

刊行:2016年9月10日予定
価格:1,690円(税込)
出版社:萬国際出版
執筆:工藤健志(青森県立美術館)、浜田久仁雄(神戸ファッション美術館)
英語翻訳:堀江美佳、癸生川栄(eitoeiko)
デザイン:高須健市

岡本光博の69作品の図鑑。1990年から26年間(2016年)に制作した2000点以上の作品から69点を厳選。

展覧会情報
岡本光博展「69」
キュレーション:工藤健志(青森県立美術館)
ギャラリーeitoeikoにて
eitoeiko公式webページ

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