東日本大震災のあと、金菱清さんは、じつに多くの被災者の生きた声にふれてきました。決まった回答を引き出すための質問に応じた声ではなく、声にならない声に寄り添ってきたのです。
彼はそうした経験を今、後世に語り継げるように、積極的な意味で学問としてとらえ直そうとしています。五感で感覚できないものをどう認識し得るのか。文字と言語を超えたうごめく意味として把握できるのか。言語を超えた「コトバ」の働きと可能性をめぐって考えるひとときしたいと思います。
また、東日本大震災以後の言葉のあり方を考えていらっしゃる皆様とゆっくり語り合う時間になればと願っています。
(若松英輔)
金菱 清(かねびし・きよし)
1975年大阪生まれ。関西学院大学大学院修了。博士(社会学)。東北学院大学教養学部教授。災害社会学・環境社会学。2008年 著書『生きられた法の社会学―伊丹空港「不法占拠」はなぜ補償されたのか』(新曜社、2009年第8回日本社会学会奨励賞著書の部受賞)。2012年編著『3.11慟哭の記録―71人が体感した大津波・原発・巨大地震』(新曜社、第9回出版梓会新聞学芸文化賞受賞)。2013年文藝春秋にて「識者が選んだ108人(今後10年間に世界的な活躍を期待できる逸材)に選ばれる。編著『千年災禍の海辺学―なぜそれでも人は海で暮らすのか』(生活書院)、2014年『震災メメントモリ―第二の津波に抗して』(新曜社)、『反福祉論―新時代のセーフティーネットを求めて』(共著、ちくま新書)、2016年編著『呼び覚まされる霊性の震災学―3.11生と死のはざまで』(新曜社)、『震災学入門―死生観からの社会構想』(ちくま新書)を発刊。
若松英輔(わかまつ・えいすけ)
批評家。1968 年(昭和43年)新潟県生まれ。慶應義塾大学文学部仏文学科 卒業。「越知保夫とその時代 求道の文学」で第14回三田文学新人賞受賞。著書に『悲しみの秘義』(ナナロク社)、『生きていくうえで、かけがえのないこと』(亜紀書房)、『井筒俊彦 叡知の哲学』『叡知の詩学 小林秀雄と井筒俊彦』(慶應義塾大学出版会)、『魂にふれる 大震災と、生きている死者』『池田晶子 不滅の哲学』(トランスビュー)、『吉満義彦 詩と天使の形而上学』『内村鑑三をよむ』(岩波書店)、『涙のしずくに洗われて咲きいづるもの』(河出書房新社)、『生きる哲学』(文春新書)、『霊性の哲学』(角川選書)などがある。
開催日:2016年9月25日(日)
時 間:19時00分スタート/20時30分終了予定 *イベント当日、お店は18時にてクローズ致します
会 場:Title 1階特設スペース
参加費:1000円+1ドリンク500円
定 員:25名
お申し込み
手順1:メールの件名にイベント名、メール本文にお名前(氏名)/電話番号/枚数(1人2枚まで)を明記して、以下のアドレスに送信ください。
title@title-books.com
手順2:「予約完了」の返信をいたします。(メールの受信設定にご注意ください)。
手順3:参加費は当日会場受付でのお支払いとなります。
お申し込み・ご予約は定員に達し次第締め切らせていただきます。