「百学連環」は江戸〜明治期に活躍した啓蒙思想家・西周の私塾での講義。文化の大転換期に、西欧諸学を相互の連関のなかで見渡そうとした試みでした。『「百学連環」を読む』は、ゲームクリエイターで文筆家の山本貴光さんが、古今東西の資料をまじえて西周が学術全体をどう見ていたかを描き出し、また、現在の私たちにどうかかわるのかを解きほぐした一冊です。
人工知能は、理系と文系の境界にある、「人間についての学問」であり、少なくとも、知能とは何かを探求する科学/知能を作ろうとする工学/そもそも知能とは何かを問う哲学の3分野のうえに成り立っています。『人工知能のための哲学塾』は、ゲームAIに長らくかかわってきた三宅陽一郎さんが「人工知能はどのように主観的な世界を持ち始めるか」をテーマに、人工知能を成り立たせるための哲学や思想的背景について解説した一冊です。
今回、「文系/理系の枠を超え、分化していく世界をつなぎとめる」と題して、山本さんからはなぜ「百学連環」に着目したのか、三宅さんからはなぜ人工知能研究から哲学塾に至ったのかをお話いただきます。そして、なぜ今、分野を超えて全体を見ようとするのか、それはどうして必要なのか語り合っていただきます。
どうぞお楽しみに!
【出演者プロフィール】
山本貴光(やまもと・たかみつ)
1971年生まれ。慶應義塾大学環境情報学部卒業。文筆家・ゲーム作家。コーエーにてゲーム制作(企画/プログラム)に従事の後、2004年からフリーランス。モブキャストとプロ契約中。好きなものはカステラ、原節子。「哲学の劇場」主宰。
代表作……
ゲーム:『That’s QT』『戦国無双』ほか。
著書:『「百学連環」を読む』、『心脳問題―「脳の世紀」を生き抜く』(吉川浩満との共著、『脳がわかれば心がわかるか―脳科学リテラシー講座』として改題増補改訂し、2016/6刊行)、『問題がモンダイなのだ』(吉川との共著)、『コンピュータのひみつ』、『文体の科学』ほか。
訳書:『MiND―心の哲学』(吉川との共訳、ジョン・R・サール著)、『ルールズ・オブ・プレイ』(サレン/ジマーマン著)など。
URL……
作品メモランダム(http://yakumoizuru.hatenadiary.jp/)
哲学の劇場 (http://logico-philosophicus.net/)
ツイッターアカウント:yakumoizuru
三宅陽一郎(みやけ・よういちろう)
京都大学で数学を専攻、大阪大学大学院物理学修士課程、東京大学大学院工学系研究科博士課程を経て、人工知能研究の道へ。ゲームAI開発者としてデジタルゲームにおける人工知能技術の発展に従事。国際ゲーム開発者協会日本ゲームAI専門部会設立(チェア)、日本デジタルゲーム学会理事、芸術科学会理事、人工知能学会編集委員。共著『デジタルゲームの教科書』『デジタルゲームの技術』『絵でわかる人工知能』(SBCr)、著書『人工知能のための哲学塾』(BNN新社)、「ゲーム、人工知能、環世界」(『現代思想』青土社、2015/12)、最新の論文は「デジタルゲームにおける人工知能技術の応用の現在」(『人工知能学会誌』2015年、学会Webにて公開)。
ツイッターアカウント:miyayou
時 間 _ 20:00~22:00 (19:30開場)
場 所 _ 本屋B&B 世田谷区北沢2-12-4 第2マツヤビル2F
入場料 _ 1500yen + 1 drink order