2016年11月13日(日)

『年月日』(閻連科 著/谷川毅 訳、白水社)刊行記念 日本の読者へ=閻連科、自作を語る=

【MARUZEN&ジュンク堂書店 渋谷店】

■開催日時:2016年11月13日(日)13:30開場 14:00開演
■場所:7階喫茶コーナーにて。入場料1000円(ワンドリンク含)
■定員:40
■受付:ご予約が必要です。7Fカウンター、若しくは、お電話にてご予約承ります。

長篇『愉楽』(河出書房新社、2014年)で日本の読者に鮮烈な印象を残した閻連科。中国国内ではその著作がしばしば禁書、発禁になることでも知られているが、農民出身の著者の本領は、むしろ本作『年月日』にこそ表われている。
千年に一度の大干ばつに見舞われた中国の寒村。作物が枯れ果てた畑に、たった一本残ったトウモロコシの苗を守るため村に残った老爺と盲目の犬は、わずかな食料をネズミと奪い合い、オオカミに立ち向かう。一人と一匹の命をつなぐため、最後に選んだ手段とは?
農民の素朴な姿や細やかな感情表現、そして中国農村の現実。それを神話的に描いた本作は、これまで日本で紹介されてきた閻連科作品とは一線を画し、著者の新たな一面、そして本来の顔を日本の読者に届けることになるであろう。今回の対談では、『愉楽』で閻連科の魔力にはまった豊崎由美氏をゲストに迎え、閻連科作品の魅力、味わい方などを存分に引き出していただきます。

わしの来世がもし獣なら、わしはおまえに生まれ変わる。おまえの来世がもし人間なら、わしの子どもに生まれ変わるんだ。一生平安に暮らそうじゃないか。

《プロフィール》
閻連科(Yan Lian Ke)
1958年河南省の西山岳地域に生まれ。中国の著名な作家。主要な作品は、長編小説『夏日落』、『日光流年』、『堅硬如水』、『受活』(邦訳『愉楽』)、『為人民服務』(邦訳『人民に奉仕する』)、『丁庄夢』(邦訳『丁庄の夢』)、『風雅頌』、『四書』、『炸裂志』(邦訳『炸裂志』)など二十部あまり、中でも《夏日落》、『為人民服務』、『丁庄夢』、『四書』は中国大陸で発禁処分となった。『沈黙与喘息−−我所経歴的中国与文学』(邦訳『沈黙の喘ぎ−−私が辿ってきた中国と文学』)はまだ中国大陸では出版されていない。今、中国で最も影響力があり論争の中心となっている、世界的にも注目されている作家である。第一回、第二回魯迅文学賞、マレーシア世界華語文学賞を受賞、2012年にはフランスのフェミナ賞、イギリスのブッカー賞のショートリストに入った。2014年村上春樹に続いてアジアでは二人目となるフランツ・カフカ賞を受賞。2015年には『愉楽』が日本のTwitter文学賞で一位を獲得した。2016年第6回香港紅楼夢賞を受賞。2004年、“作品が人を不安に陥れる”として軍から退くことになり、現在は中国人民大学文学院に教授、作家として在籍、香港科学技術大学の客員教授。

聞き手:豊崎由美(とよざき ゆみ)
ライター、書評家。「GINZA」「本の雑誌」「TVBros.」「文藝」などで書評を多数掲載。主な著書に『勝てる読書』(河出書房新社)、『ニッポンの書評』(光文社新書)、『ガタスタ屋の矜持
場外乱闘篇』(本の雑誌社)、『石原慎太郎を読んでみた』(栗原裕一郎氏との共著、原書房)、『まるでダメ男じゃん!
「トホホ男子」で読む、百年ちょっとの名作23選』(筑摩書房)などがある。

通訳・進行:田原(ティエン ユアン)
1965年、中国河南省出身。立命館大学大学院文学研究科日本文学博士。主な著書に詩集『田原詩選』(中国語)、Beijin-Tokyo Poems Composition(英語訳)、『そうして岸が誕生した』(日本語)、『石の記憶』(日本語)、翻訳書に『谷川俊太郎詩選』(単行本詩集も含む中国語訳11冊)、『辻井喬詩選集』(中国語訳)、編著『谷川俊太郎詩選集1~4巻』(集英社文庫)、博士論文集『谷川俊太郎論』(岩波書店)、『田原詩集』(思潮社現代詩文庫2014年)などがある。2001 年第1 回留学生文学賞大賞を受賞。2010 年第60 回H 氏賞を受賞。2013年第10回上海文学賞を受賞。2015年第1回海外華文傑出詩人賞受賞など。詩人、翻訳家。現在、城西国際大学で教鞭を執る。

お問い合わせ先:MARUZEN&ジュンク堂書店 渋谷店 電話:03-5456-2111

photo by Georges Seguin en.wikipedia

イベント情報の詳細はこちら