2016年12月17日(土)

寄せ場・釜ヶ崎と「ラディカル地理学」/原口剛『叫びの都市 寄せ場、釜ヶ崎、流動的下層労働者』(洛北出版)刊行記念

【ジュンク堂 難波店】
2016年 12月17日(土)15:00~
☆会 場… 難波店3階カウンター前特設会場。入場無料。
☆受 付… 同店3階カウンター、お電話でも予約承ります。

かつて、「寄せ場に立てば世界がみえる」という言葉がありました。さまざまな出自をもつ労働者が生き、日々の闘争が繰り広げられる寄せ場・釜ヶ崎の現実を知ることは、そこから世界を見通す方法を編み出す出発点であったのです。いまこそ、私たちはこの言葉を取り戻さなければなりません。釜ヶ崎という土地に潜む記憶を呼び覚まし、さらにはそれを移民や難民の流動にあふれた地球的状況と重ね合わせながら、その可能性を探りたいと思います。
もうひとつ、声を大にして語りたいことがあります。地理学とはラディカルな学問なのだ!ということです。過去五〇年間に、世界のさまざまな土地で思想的格闘を繰り広げた地理学者たちは、じつに多種多様な空間思想を練り上げ、「新しい地理学」を生み出しました。なかでも「ラディカル地理学」は、この格闘の最前線に位置してきたのです。日本ではまだあまり知られていないのですが、私たちはかれらの思想にこそ鼓舞されてきましたし、『叫びの都市』はそうして出来上がった本です。寄せ場・釜ヶ崎を語ることをつうじて、ラディカル地理学の醍醐味について、語りたいと思います。

講師紹介
原口 剛(はらぐち・たけし)
1976年生まれ。2000年より大阪市立大学にて地理学を学び、釜ヶ崎の戦後史や野宿生活者に対する社会・空間的排除について研究してきた。現在は神戸大学准教授。都市社会地理学および都市論を専門としている。著書に『叫びの都市 寄せ場、釜ヶ崎、流動的下層労働者』(洛北出版 2016)、訳書にニール・スミス『ジェントリフィケーションと報復都市 新たなる都市のフロンティア』(ミネルヴァ書房 2014)、共編著に『釜ヶ崎のススメ』(洛北出版 2011)など。

北川 眞也(きたがわ・しんや)
1979年生まれ。関西学院大学で地理学を学ぶ。地中海をわたる移民の境界闘争、ミラノのスクウォット運動について研究してきた。現在、三重大学准教授。専門は政治地理学。論文に「ポストコロニアル・ヨーロッパに市民はひとりもいない」(現代思想43-20 2015)。訳書にサンドロ・メッザードラ『逃走の権利 移民、シティズンシップ、グローバル化』(人文書院 2015)、フランコ・ベラルディ『NO FUTURE イタリア・アウトノミア運動史』(洛北出版 2010 共訳)。

ジュンク堂書店難波店
大阪市浪速区湊町1丁目2-3 マルイト難波ビル TEL 06-4396-4771

イベント情報の詳細はこちら