9月3日から11月30日まで、釜山市立美術館、F1963にて開催中の「釜山ビエンナーレ2016」。
ここに、九州派時代に発表され、その後破棄された幻の作品を展示中の福岡を代表する画家、菊畑茂久馬さんと、現在リニューアルオープンに向け準備休館中の福岡市美術館、山口洋三さん、そして、釜山ビエンナーレのキュレーションを手掛けた美術評論家の椹木野衣さんをお迎えし、イベントを開催します。
イベントでは、福岡からも近い「釜山ビエンナーレ2016」について、同展に出品された菊畑さん幻の作品「奴隷系図(三本の丸太による)」の再制作エピソード、さらには、九州派から現在に至る福岡のアートシーンの変遷、過去・現在・未来についてなど、多岐にわたるトークをお送りいたします。
美術に興味のある方、どうぞご参加下さい!
菊畑茂久馬
1935年長崎市生まれ。幼少期に福岡市に移る。福岡中央高校卒業後、絵画を独学。1957年~1961年前衛美術家集団「九州派」に参加して頭角を現す。1962、64年南画廊で個展。同じ頃、炭鉱画家の山本作兵衛を知り、衝撃を受ける。同時期に戦争記録画に関する研究も深め『フジタよ眠れ』、『天皇の美術』の著作にまとめる。その後19年の沈黙の期間を経て1983年絵画の大作《天動説》シリーズを発表。以後連作による大型絵画シリーズを次々に発表。国内の展覧会多数。2015年カイカイキキギャラリーにて《春の唄》を発表。第53回毎日芸術賞受賞(2011年度)。福岡市在住。
山口洋三
1969年長崎市生まれ。1994年より福岡市美術館学芸員。福岡の戦後美術史を中心に現代美術を専門とする。近年では「菊畑茂久馬回顧展 戦後/絵画」(2011年、長崎県美術館と共同企画、第23回倫雅美術奨励賞受賞)、「福岡現代美術クロニクル1970-2000」(2013年、福岡県立美術館と共同企画)を企画。2015年『福岡市美術館叢書6 九州派大全』(福岡市文化芸術振興財団)を編集。
椹木野衣
1962年埼玉県秩父市生まれ。主な著作に『増補シミュレーショニズム』(ちくま学芸文庫)、『日本・現代・美術』(新潮社)、『後美術論』(美術出版社、第25回吉田秀和賞受賞)、『戦争画とニッポン』(会田誠との共著、講談社)、『日本美術全集 19 拡張する戦後美術』(責任編集、小学館)など多数。国際美術評論家連盟日本支部・常任委員長、多摩美術大学美術学部教授。