2014年11月25日(火)

ドーマル『空虚人と苦薔薇の物語』「『類推の山』の話中話、世にも不思議な物語」

ルネ・ドーマルの未完の冒険小説『類推の山』(河出文庫)を熱愛するファンは多い。未完でありながら、あるいは未完であるからこそ魔術的な魅力をはなつこの「非ユークリッド的」作品のなかで、みごとに完成された「話中話」として登場するのが「空虚人(うつろびと)と苦薔薇(にがばら)の物語」です。

双子の少年モーとホーが大いなる智恵を求めて高山をさまよい、ついに神秘の苦薔薇と空虚人にめぐりあう美しく切ないメルヘンですが、本書はそれのみを独立させ、練達の幻想画家・建石修志氏の描きおろした繊細優美な挿絵の数々を配して、1冊の瀟洒な「絵本」に仕上げたものです。

学生時代に原書に触れて感銘を受け、この話中話から訳しはじめたというシュルレアリスト巖谷國士氏が、『類推の山』の魅力と未完であることの美しさについて、「空虚人と苦薔薇の物語」を核心に据えながらトークします。

自著とシュルレアリスムの文学・美術・写真をめぐって、また森や庭園や都市、旅や遊びやメルヘン、瀧口修造や澁澤龍彦などをめぐって、数知れない講演を重ねてきた巖谷氏ですが、『類推の山』とこの話中話について語るのは初めてのことです。

略歴
巖谷國士 いわや・くにお
1943年東京都生まれ。東京大学仏文科卒、同大学院修了。学生時代に瀧口修造や澁澤龍彦と出会ったころから、シュルレアリスムの研究と実践をつづけている。仏文学者・評論家・旅行家・写真家・メルヘン作家、明治学院大学名誉教授。主な著訳書に『シュルレアリスムとは何か』『ヨーロッパの不思議な町』(筑摩書房)、『封印された星』『〈遊ぶ〉シュルレアリスム』『森と芸術』(平凡社)、『幻想植物園』(PHP研究所)、ブルトン『シュルレアリスム宣言・溶ける魚』『ナジャ』(岩波文庫)、ドーマル『類推の山』(河出文庫)、『スコープ少年の不思議な旅』(風濤社)など。

開催日時:2014年11月25日(火) 19時~(開場18時30分)
開催場所:東京堂書店神田神保町店6階 東京堂ホール
参加方法:参加費800円(要予約・ドリンク付き) 店頭または電話・メール(
shoten@tokyodo-web.co.jp
)にて、「巖谷さんイベント参加希望」とお申し出いただき、名前・電話番号・参加人数をお知らせ下さい。 電話 03-3291-5181

※当日17:00より1階総合カウンターにて受付を行います。
参加費800円(ドリンク付き)をお支払い頂いた上で、
1Fカフェにて、カフェチケットと指定のドリンクをお引換えください。
イベントチケットは6階入口にて回収致しますので、そのままお持ちください。
尚ドリンクの引換えは当日のみ有効となります。

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