写真家・潮田登久子さんによる、「本と本の置かれている環境」を主題とする3部作”SERIE BIBLIOTHECA” 。
昨年刊行された『みすず書房旧社屋』に続き、この春、『先生のアトリエ』『本の景色』が同時刊行されました。
潮田さんは、このシリーズへの取り組みについて、こう語っています。
「「本」をオブジェとして写真撮影を試みているうちに、情報の担い手という「本」自体が持っている役割を超えて、新たに「本」そのものの存在が魅力となって浮き立ってきて、興味がつきません。 」
――シリーズ2冊めとなる『先生のアトリエ』は、潮田登久子さんが60年代に桑沢デザイン研究所で出会った写真の先生・大辻清司さん亡きあと、そのアトリエに通い、そこに在る「モノ」を撮影した1冊です。
遺品となり、読み手を一時うしなった「本」も、モノとして、そこに存在しています。
この写真集に焦点をあてた今回のトークイベントでは、おなじく大辻清司さんの教えを受けており、潮田さんのパートナーでもある島尾伸三さんもお招きし、写真評論家の飯沢耕太郎さんに聞き手となっていただいて、
本写真集で潮田さんが表現したものをとおして、被写体としての「本」、大辻清司さんの人物像にも迫っていきます。