【ジュンク堂 池袋本店】
開催日時:2017年07月25日(火) 19:30〜
今年の5月、加藤典洋さんの新刊『敗者の想像力』が発売になりました。
1945年、日本は戦争に負け、他国に占領されました。それから四半世紀。私たちはこの有史以来未曾有の経験を、正面から受けとめ、血肉化、思想化してきたでしょうか。日本の「戦後」認識にラディカルな一石を投じ、90年代の論壇を席巻したベストセラー『敗戦後論』から20年。同書は、戦争に敗れた日本が育んだ「想像力」を切り口に、敗北を礎石に据えた新たな戦後論を提示しています。山口昌男、大江健三郎といった硬派な書き手から、カズオ・イシグロ、宮崎駿、『シン・ゴジラ』などの話題作までを射程に入れた、画期的な論考だと言えるでしょう。
今回、加藤典洋さんと対談するのは、日本文学研究者で日本文学の英語翻訳を数多く手がけているマイケル・エメリックさん。同書を読んで、ドナルド・トランプ米大統領のこんな言葉を思い出したそうです。
「我々は勝つ。もう勝ちまくるんだ。貿易でも、国境でも勝つ。どこでも勝って勝ちまくるから、諸君は勝つことに飽き飽きして、ほんともうこれ以上は勘弁してください、と私に言いにくるよ」
エメリックさんは「他者への冒瀆とも取れるこのような態度へのきわめてdecent(まとも)な反発、警告」こそが「敗者の想像力」だと言います。
日本とアメリカ、異なる場所から日本の文学を見つめ続けた二人が「敗者の想像力」の意味を問い直します。21世紀を展望する思想的視座の提示に、ご期待ください!
【講師紹介】
加藤典洋(かとう のりひろ)
1948年、山形県生まれ。文芸評論家。早稲田大学名誉教授。東京大学文学部仏文科卒。文学から文化一般、思想まで日本の近現代の幅広い分野で活躍。『言語表現法講義』で新潮学芸賞、『敗戦後論』で伊藤整文学賞、『小説の未来』『テクストから遠く離れて』で桑原武夫学芸賞を受賞。
新刊『敗者の想像力』のほか、著書に『アメリカの影』、『人類が永遠に続くのではないとしたら』、『戦後入門』、『言葉の降る日』など。
マイケル・エメリック(Michael Emmerich) 1975年、ニューヨーク生まれ。日本文学研究者。カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)アジア言語文化学部上級准教授。コロンビア大学で博士号(東アジア言語と文化)を取得。川上弘美「真鶴」の翻訳で2010年度日米友好基金文学翻訳賞受賞。
2013年、古川日出男「ベルカ、吠えないのか?」の翻訳でSF&ファンタジー英訳作品賞最終候補。第25回早稲田文学新人賞選考委員。
★入場料はドリンク付きで1000円です。当日、会場の4F喫茶受付でお支払いくださいませ。
※事前のご予約が必要です。1階サービスコーナーもしくはお電話にてご予約承ります。
※トークは特には整理券、ご予約のお控え等をお渡ししておりません。
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