2017年9月9日(土)

山口裕之『「大学改革」という病』(明石書店)刊行記念トークイベント

【ジュンク堂 難波店】
開催日時:2017年09月09日(土) 16:00〜18:00
山 口 裕 之 (聞き手・金益見)

誰しも教育には一家言あると言われます。しかし、多くの人は(政治家や文科省の官僚でさえも)、教育を受ける側ではなく、施す側の立場に立って考えてしまいがちです。つまり、教育を、子供たちを操作する手段として考えてしまいがちなのです。操作された人がどんな気持ちがするか、どんな反応をするかということが、考えから抜け落ちてしまいます。昨今の日本の「大学改革」も同様で、政治家や官僚の「上から目線」による一方的な改革の強要となっています。それでは、たとえ「改革の理念」がいくら立派だったとしても、うまくいくはずがありません。それに、大学は孤立して存在しているのではなく、高校や中学など他の教育機関、学生が就職する企業や教員の研究成果を商品化する企業、予算を補助するが口も出す政府など、他の制度や機関と複雑に絡み合って存在しています。大学はどうあるべきかを考えることは、社会全体のあるべき姿を考えることにつながっていきます。「大学改革」を切り口として、日本社会のあるべき姿についてまで、考えていきたいと思います。

山口裕之(やまぐち・ひろゆき)
1970年、奈良県生まれ。徳島大学准教授。大学院ではフランス啓蒙思想を研究していたが、やっとのことで大学に就職した直後、国立大学の独立行政法人化という大波に洗われ、疲弊する大学を少しでも何とかしようと、教職員組合の書記長として活動。「哲学は何でもあり」というモットーから、研究もそれに合わせて「大学論」に手を出している。
著書に『コンディヤックの思想』、『人間科学の哲学』、『認知哲学』、『ひとは生命をどのように理解してきたか』、『コピペと言われないレポートの書き方教室』、『人をつなぐ対話の技術』など。

金益見(きむ・いっきょん)
1979年7月14日大阪府生まれ。神戸学院大学人文学部講師。博士(人間文化学)。
大学院在学中に『ラブホテル進化論』(文春新書)を刊行し第18回橋本峰雄賞受賞。その他単著に『性愛空間の文化史』(ミネルヴァ書房)『贈りもの 安野モヨコ・永井豪・井上雄彦・王欣太~漫画家4人からぼくらへ』(講談社)『やる気とか元気がでるえんぴつポスター』(文藝春秋)など。

☆会 場… 難波店3階カウンター前特設会場。入場無料。
☆受 付… 同店3階カウンター、お電話でも予約承ります。 tel.06-4396-4771

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