【丸善 名古屋本店】
2017年8月27日(日) 15時~ 1Fイベントスペースにて
要・予約(店頭or電話にて事前の予約を受け付けております)
tel.052-238-0320
「東海地方には、岐阜県神岡町と有松裏に、戦時捕虜収容所があった。
有松には米英兵を主として273名が収容され、日本車輌(熱田)へ名鉄電車で移動し、労働に服していた」(「有松よもやまばなし」)
この史実を馬場豊さんが初めて知ったのは2009年(平成21年)のことだった。
ほどなく、名古屋出身の作家・城山三郎さんが30代前半の頃、この収容所を取り上げた短編『捕虜の居た駅』を書いていたことも分かった。
「収容所のことを、もっと多くの人たちに知ってほしい」との思いが募っていった馬場さん。
城山作品の朗読会を開催。さらには短編小説に着想を得て馬場さん自身が戯曲『捕虜のいた町』を書き上げた。
戯曲は朗読劇として公演され好評を博した。
2017年6月に中日新聞社から『戯曲捕虜のいた町―城山三郎に捧ぐ』のタイトルで刊行されている。
同書には、初出の『小説中央公論』だけに掲載がとどまっていた『捕虜の居た駅』も合わせて収録されている。
今回のゼミでは、本にも載せている有松の捕虜収容所に関する馬場さんの取材ノートをもとに、埋もれていた歴史の断片を紹介します。有松駅周辺で捕虜の外国人を見たという人たちもすでに80歳を過ぎ、収容所も一部と思われる遺構が草に覆われひっそり残るのみ。戦争の記憶が薄れ、消え去ろうとする今、名古屋にあった戦時捕虜収容所のことを、みなさんに知っていただければと思います。