20代のある日、ささめやゆきこと細谷正之は絵を描くことを決意し船に乗った。シベリア鉄道を経てフランスの西岸までたどり着いたとき彼の異邦人としての暮らしが始まった。
古いラジオから流れていたのは吟遊詩人ジョルジュ・ムスタキの歌声。ムスタキはユダヤ人としてエジプトに生まれ、ギリシャを経て放浪の末にパリに辿り着いたのだ。
40数年を経て、ささめやはムスタキの歌をひとつひとつ絵に仕上げた。その経験は遠い昔の友人との再会、そして何よりも異邦人であった自分自身との邂逅であった。
『異国の砂 (LE METEQUE)』(文・工藤有為子 絵・ささめやゆき)の原画を中心に、ささめやゆきさんのワールドワイドな絵の世界をご覧ください。
ささめやゆき
1943年生まれ。85年ベルギー・ドメルホフ国際版画コンクールにて銀賞、95年小学館絵画賞、99年講談ねこがくるの』『椅子 しあわせの分量』『ねこのチャッピー』『くうき』『いとしい小鳥 きいろ』『三方一両損』など。画集に『イタリアの道』『幻燈サーカス』『細谷正之版画集』など。鎌倉市在住。
開催日:2017年9月7日(木)- 2017年9月21日(木)
時間:12:00 – 21:00 水曜・第三火曜日休み *イベント開催日(9月8日、12日、18日)は18:00にて終了
場所:Title2階ギャラリー