天狼院書店店主の三浦でございます。
「あの、もう他に教えてほしくないんですけど」
天狼院ライティング・ラボをやると告げると、「川代ノート」で大人気で出版社の方からも注目されている川代紗生が、冗談交じりにこう言った。冗談っぽく言ったけれども、それが本気だということがわかった。
できれば教えたくなんだけどね、と僕は苦笑する。
「でも前回あまりに好評でまたやってくれって要望が多くてさ。それに、まゆかとか海鈴とか、教えていない天狼院のスタッフもいるから、みんなに教えるいい機会だと思って」
川代も僕も、他に教えたくないと思っているのは、それを教えてしまうとライバルが増えてしまうからだ。
ここでいうところの「ライバル」とは「書いて食べていける人」という意味になる。
前回の受講者の方に、こう言われた。
「実は、半年間、16万くらい払って他のライティングの講座を受けていたんですが、今日一日の方がはるかに価値がありました」
また、別のイベントに参加された女性に、こう言われた。
「このあいだ、彼が天狼院のライティング講座を受けに行って、あんなのはじめてだよ、ものすごく良かったって興奮して帰ってきたんで、私も天狼院のイベントに参加してみたいと思って」
それはそうである。
書いてプロで食べられる方法を、教えてしまったのだから。
たとえば、僕がライティングだけに集中して仕事を受けていれば、今よりもはるかに稼ぐことができるだろう。
今でもオファーが多いのだが、天狼院の運営のためにお断りさせて頂いている。
実を言うと、天狼院を設立するための資金のほとんどの部分を、僕はライティングのスキルによってかき集めた。
しかも、僕のライティングの奥義というのは、あまりに単純である。わかりやすい。
講座で冒頭にそれをいうと、ほとんどの人が、「え? それだけ?」という顔をするか、実際にそう言葉にする。
「それだけなんです」
と、僕は苦笑いして、本当にそうなのかを、過去のWeb天狼院でスマッシュヒットしてバズった記事を題材に検証していく。
すると、すべてが同じ構造で組立てられていることが、誰の目にも明らかになる。
そう、それだけなのだ。
だから、教えたくないのだ。一度聞いてしまえば、センスのいい人なら、その瞬間からプロのコンテンツメーカーになれる。
おおげさではなく、本当にそうだ。
「川代ノート」の川代紗生にも、妄想京都天狼院の三宅香帆にも、「それだけ」のことを教えた。
川代はいつも天狼院にいるので、様々なかたちで伝えているが、三宅の場合は京都にいるので、東京に来た際に窓際のカウンター席で、一時間かけて教えておいた。
教えたことは、天狼院ライティング・ラボで教えたのとまるで一緒のことだ。
彼女たちが、Web上で人気を博しはじめたのは、その直後のことだ。
そう、本当に書けるようになってしまう。
ライバルが増えてしまう。
だから、本当は誰にも教えたくない。
それはたとえば、洋食屋さんのデミグラスソースのレシピのようなもので、江戸時代から継ぎ足された蕎麦屋の秘伝のたれのようなもので、本来、門外不出なのだけれども、お客様も雑誌『READING LIFE』やWeb天狼院書店で、プロとして書いて欲しいので、今回も惜しみなく公開することにした。
いや、前回よりもパワーアップして、雑誌『READING LIFE』のコンテンツを題材に、より具体的に秘伝のレシピを明かしてしまおうと思う。
別に、本当に来なくていいですからね、ライバル、増やしたくないんで笑。
ただ、雑誌編集部の方々、そして天狼院のスタッフは絶対に受けてくださいませ。
これ、受けないと、掲載権はありません。ひとりひとりに教えている時間はないので、この機会に覚えてくださいませ。
早いうちに受けておいて、Web天狼院書店に面白いコンテンツをじゃんじゃん上げてくださいませ!
楽しみにしております。
【概要】
日時:12月28日(日)
19:15〜21:15(19:00受付開始)
定員:25名様
*定員になり次第、締め切らせて頂きます。
参加費:5,000円
場所:天狼院書店「東京天狼院」