【隆祥館書店】
今回は、『街場の天皇論』を上梓されました思想家の内田樹さんと『「天皇機関説」事件』を上梓された山崎雅弘さんに、お越しいただき前回の第二弾としてトークセッションしていただけることになりました。
日本の政治的バランスは戦後最も右傾化した状況にあるように思われます。戦後の左翼政党は1996年に社会党の消滅と共にほぼ共産党を残すだけとなりました。さらに発足時にはある程度中道、リベラルなスタンスを堅持していた公明党も1999年の第2次小渕改造内閣から自民党と連立を組み、既に18年が経過しました。この中で公明党が徐々に自民党の政策にシフトしてきたことは否め
ません。
こうした右傾化する政治状況の中で、戦前の日本が残した負の遺産に対して、真正面から向き合ってきたのが、今上天皇(キンジョウテンノウ 明仁)です。たとえば、おびただしい公務の中で、国籍を超えて戦争で亡くなった人間への慰霊を行ってきた靖国神社には皇太子時代には5回参拝しているが、即位後は参拝していない。
東京都教育委員の米長邦雄の「日本中の学校に国旗を掲げ、国歌を斉唱させるのが私の仕事です」という発言に対して。「やはり、強制になるということではないことが望ましいですね」と異論を唱えた。
「大日本帝国憲法下の天皇の在り方と日本国憲法下の天皇の在り方を比べれば、日本国憲法下の天皇の在り方の方が天皇の長い歴史で見た場合、伝統的な天皇の在り方に沿うものと思います」と現行憲法を肯定。
内田樹さんはこうした天皇の姿勢が日本の平和と民主主義を守る一定歯止めの役割を果たしているという事について高い評価を与え、その内実を分析されました。
これは内田樹さんの「現代天皇論」です。天皇の姿勢から、主権者である私たちは、どのように考え行動すべきなのか?山崎雅弘さんと対談していただきます。
この機会にぜひ
内田樹(うちだたつる)
1950年東京都生まれ。東京大学文学部仏文科卒。神戸女学院大学名誉教授。専門はフランス現代思想。
武道と哲学の私塾・凱風館を主宰。ユダヤ、教育、アメリカ、中国、メディアなど幅広いテーマを論じる。
『私家版・ユダヤ文化論』(文春新書)で第六回小秀雄賞受賞、『日本辺境論』(新潮新書)で第三回新書大賞を受賞。近著に『世界「最終」戦争論』(姜尚中氏との共著、集英社新書)、『街場の文体論』(文藝春秋)などがある。
山崎雅弘(やまざきまさひろ)
1967年大阪府生まれ。戦史・紛争史研究家。
2016年7月に刊行した『日本会議―戦前回帰への情念』(集英社新書)で、大手メディアが報じてこなかった同組織と政権の関わりや、改憲に向けた活動の詳細を明らかにし、注目を浴びる。このほか、『戦前回帰 「大日本病」の再発』(学研プラス)『5つの戦争から読みとく日本近現代史――日本人として知っておきたい100年の歩み』(ダイヤモンド社)など、著書多数。
内田樹×山崎雅弘ト-クセッション第2弾
『街場の天皇論』から主権者である私たちが考え行動することとは
開催日:平成29年10月12日(木)
時 間:18:30開場 19:00開演
会 場:隆祥館書店5階 多目的ホ-ル
参加費:1,380円+本代『街場の天皇論』1620円 合計3,000円
講演のみ:3,000円 当日の場合:500円アップ (要予約・事前購入制とさせていただきます。申込み順)
*振込先
三井住友銀行上町支店 (普通) 1353923
カ)リュウショウカンショテン
申込み・お問合せ
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TEL:06-6768-1023
住所:大阪市中央区安堂寺町1-3-4
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主催:隆祥館書店
後援:東洋経済新報社