食べること、交わること、殺すことの不可思議なつながりを探る赤坂憲雄さんの新刊、『性食考』。同書の刊行を記念して、赤坂憲雄さんと、本書の装画を提供された現代美術家の鴻池朋子さんを迎えて、トークイベントを開催します。
「食べちゃいたいほど、可愛い」という言葉を糸口に、人間の〈内なる野生〉に迫る本書。性/生/死を考察するなかで、人間と自然、人間と動物の関係も問いなおされます。
狩人と獲物の、食べる/食べられるが反転するとき――
人間と獣が結婚する(あるいは交わる)異類婚姻譚――
鴻池さんの描かれた『第3章 遭難』の森に浮かぶ狼少女たちは、本書と見事に共鳴しあっていました。
アートを通じ、人間の深淵、芸術の始源に対峙し、現代の神話を表現しつづけてきた鴻池さんには、『根源的暴力』『どうぶつのことば――根源的暴力をこえて』という著書もあります。
そして、赤坂さんは、東日本大震災以降の現在、そして未来にむけて、文学とアートにこそ可能性があると感じています。
鴻池さんは、この『性食考』を、どう読まれたのでしょう。赤坂さんは、この装画をどう受け止めらたのでしょうか。そしてお二人は、人間のこれまでとこれからに、アートに、何を思うのでしょう。互いを尊敬しあうお二人に、存分に語りあっていただきます。
この『性食考』は、これまで赤坂憲雄さんの著書を手にとったことのない新しい読者の方も関心を寄せています。読者の方が本書をどう読み、どう感じられたのか、対話の場ともなれば幸いです。
【出演者プロフィール】
赤坂憲雄(あかさか・のりお)
1953年東京都生まれ。東京大学文学部卒。学習院大学教授・福島県立博物館館長。東北学を提唱し、1999年に雑誌『東北学』を創刊。震災後も、みずからの足で広く被災地をめぐり、精力的に活動をつづけている。2007年『岡本太郎の見た日本』でドゥマゴ文学賞・芸術選奨受賞。著書に『異人論序説』(ちくま学芸文庫)、『境界の発生』(講談社学術文庫)、『東西/南北考』(岩波新書)、『遠野/物語考』(荒蝦夷)、『震災考』(藤原書店)など多数。
鴻池朋子(こうのいけ・ともこ)
1960年秋田県生まれ。絵画、手芸、パフォーマンス、おとぎ話など様々なメディアと素材を用いて、現代の神話を壮大なインスタレーションで表現し、芸術の問い直しを試みている。2009年「インタートラベラー 神話と遊ぶ人」東京オペラシティ、2015年「根源的暴力」神奈川県民ホール他、個展多数。著書に『みみお』(青幻舎)、『焚書 World of Wonder』『インタートラベラー 死者と遊ぶ人』『根源的暴力』『どうぶつのことば――根源的暴力を超えて』(羽鳥書店)など。
時 間 _ 15:00~17:00 (14:30開場)
場 所 _ 本屋B&B 世田谷区北沢2-12-4 第2マツヤビル2F
入場料 _ 1500yen + 1 drink order