2015年1月19日(月)

『ちくわのいいわけ』枡野浩一さん他2名「ちくわの思いで――田中りえさんをめぐって」

2013年7月、作家の田中りえさんががんで亡くなりました。
田中小実昌の息女として、また1978年に「おやすみなさい、と男たちへ」でデビューした元祖女子大生作家として知られるりえさんは、長らく執筆活動から遠ざかっていましたが、2008年に20年ぶりに『早稲田文学』に「ちくわのいいわけ」を発表、本格的な活動再開に向けて動きはじめたところでした。最後の長編になった『ちくわのいいわけ』は、自らの離婚を描いた作品ですが、ユーモアと脱線をまじえた語り口は絶妙のひとこと。読みどころたっぷりの傑作です。

当夜は、田中りえさんの尽きせぬ魅力を、ファンをもって任ずる歌人の枡野浩一さんと、りえさんの息子(つまり、小実昌さんの孫)であり、今年(2014)2月に自宅を開放して「田中3」展を開いた田中開さんがじっくり話し合います。司会は編集者の須川善行。

【プロフィール】

・枡野浩一(ますの・こういち)
1968年東京生まれ。歌人。短歌小説『ショートソング』(集英社文庫)、離婚小説『結婚失格』(講談社文庫)、ツイッター発の詩集『くじけな』(文藝春秋)など著書多数。最新刊は写真短歌集『歌』(雷鳥社)。執筆活動のほか、テレビ・映画・演劇に出演するなど幅広く活動中。2012年より南阿佐ヶ谷「枡野書店」店主。「歌人詩人」の「歌人」として芸人としても活動中。公式サイト『ますので』

http://masuno.de

・田中開(たなか・かい)
1991年東京生まれ、練馬区育ち。188cm85kg。早稲田大学基幹理工学部卒業、現在は同大学院に在籍中。Webマガジン「オモコロ」にてライターを勤める。新宿ゴールデン街「しの」「三坪」でバイトもする。そして、バイト代以上に飲む。去年2月、祖父・小実昌と母・りえの回顧展「田中3展」を催した。現在は休学して、フラフラした日々を過ごす。今年したバイトは、家庭教師・米軍の秋田犬を空港まで連れて行く・ノアの箱舟を作る役・鉄割・音楽系の専門学校に潜入(予定)・小学生プール教室のアシスタント。行った場所は、ドイツ・南アフリカ・ナミビア・ケニア・タンザニア・スウェーデン・グアム。最近、祖父の23歳も同じようにぐずぐずしてた(「香具師の旅」)のを知って、少し安心している。

https://twitter.com/42tanaka

・須川善行(すがわ・よしゆき)
1962年北海道生まれ。元『ユリイカ』編集長。編集した書籍に、菊地成孔+大谷能生『憂鬱と官能を教えた学校』(河出書房新社)、大友良英『MUSICS』(岩波書店)、柴田元幸監訳『初期アメリカ新聞コミック傑作選』(創元社)ほか。制作した映画に、冨永昌敬監督『庭にお願い』。

https://twitter.com/niwanionegai

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