駅やオフィス、街や家の中で出くわす、小さな違和感。
あるいは、市井の人々が生み出すささやかな工夫や発明のようなもの。
著者・菅俊一氏が日々収集し続けている数多の「観察」の事例を読み解く
思考の追体験をしていくコラム集『観察の練習』。
その刊行を記念して、東京工業大学リベラルアーツ研究教育院・伊藤亜紗さんをお相手に迎え、トークイベントを開催します。
伊藤さんは、視覚障害者の方を取材して執筆した『目の見えない人は世界をどう見ているのか』(光文社)をはじめとした著書で、多くの人が当たり前としている知覚とそれらが構成する世界に揺さぶりをかけ、別角度からの世界の感じ方を探求し、私たちに提示してくれる研究者です。
世界を知覚するための前提条件が変わってくると、「観察」という行為はどのように変化していくのでしょうか?
そして、視覚情報からの「観察」の事例が大半を占める本書『観察の練習』を、伊藤さんはどのように読まれたのでしょうか?
世界をさまざまな視点から見ているお二人による、貴重な対談をお届けします。
菅俊一 すげしゅんいち
表現研究者/映像作家
多摩美術大学美術学部統合デザイン学科専任講師
1980年東京都生まれ。人間の知覚能力に基づく新しい表現を研究・開発し、さまざまなメディアを用いて社会に提案することを活動の主軸としている。主な仕事に、NHKEテレ「2355/0655」ID映像、21_21 DESIGN SIGHT「単位展」コンセプトリサーチ、21_21 DESIGN SIGHT「アスリート展」展示ディレクター。著書に『差分』(共著・美術出版社、2009年)、『まなざし』(ボイジャー、2014年)、『行動経済学まんが ヘンテコノミクス』(共著・マガジンハウス、2017年)。主な受賞にD&AD Yellow Pencil など。
http://syunichisuge.com
伊藤亜紗 いとうあさ
東京工業大学リベラルアーツ研究教育院准教授。1979年、東京都生まれ。幼いころから生物学者を目指していたが、大学3年生のときに“文転”し、美学、現代アートを学ぶ。日本学術振興会特別研究員を経て、2013年に東工大に着任。著書に『ヴァレリーの芸術哲学、あるいは身体の解剖』(水声社)、『目の見えない人は世界をどう見ているのか』(光文社)、『目の見えないアスリートの身体論』(潮出版)など。
http://asaito.com
日程:2018年2月24日 (土)
時間:14:00~15:30 開場 13:30~
料金:1,350円(税込)
定員:110名様
会場:本店 大教室
お問合せ先
青山ブックセンター 本店
電話:03-5485-5511
受付時間:10:00~22:00
書籍情報
『観察の練習』
菅俊一/著
1600円+税
アイデアの種は、あなたの日常の「小さな違和感」に隠れている――
“「見落としていたものに気づく」ということ自体は、何に着目すべきかという問題設定が適切にされていれば、誰でもできるはずなのだ。
その上で、「良い」気づきを得るために「観察の練習」が必要になってくるのだ。観察による気づきは技術だと捉え、何に着目するかを意識しながら、何度も何度もやってみる。当然、技術というからには後天的に学習が可能だし、慣れれば慣れるほど上手くなっていく。”(本書「おわりに」より)
駅やオフィス、街や家の中で出くわす、小さな違和感。あるいは、市井の人々が生み出すささやかな工夫や発明のようなもの。著者が日々収集し続けている数多の「観察」の事例を読み解く思考の追体験をしていくことで、読み手にもアイデアの種を与えてくれる。過去の膨大な量のリサーチの中から50あまりの「観察」の成果を厳選し、テキストはまるごと書き下ろし。著者のこれまでの人気連載コラム「AA’=BB’」(modernfart)、「まなざし」(DOTPLACE)を愛読していた方も必読の、初の単著にして決定版的な一冊。