2018年2月17日(土)

*表紙が伸びて守ったり、様々な印刷を施した小口や、これはもはや芸術!な小口絵まで。 書籍の特殊な小口について、徹底トーク!  祖父江慎 × 小沼良成 × 津田淳子(デザインのひきだし)トークイベント 『デザインのひきだし 33』(グラフィック社)刊行記念

ナビりん
これは物体としての本が好きな人にはたまらないイベントね

タマちゃん
超おもしろそう!

ナビりん
しかも語ってくださるのは祖父江慎さんと小沼良成さん

タマちゃん
これはなんとしても行くしかないわ

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箱っぽい表紙が目印の『デザインのひきだし33』。小口(本の断面)まで表紙が覆っている姿は、古い時代につくられた、小口を破損から守るために表紙の皮を長くした聖書や、夏目漱石の袖珍版『吾輩は猫である』を模しているようにも見える(まったくの後付けですが!)。
そんな昔の特殊な小口にまつわる装丁本について詳しいおふたりにご登場いただく、スペシャルトークを開催します。

おひとりは、本誌に毎号ご登場いただいているブックデザイナーの祖父江慎さん。夏目漱石の『坊ちゃん』本やピノキオ本コレクターなのは有名ですが、それ以外にも事務所に伺うと、玄関からずっと続く廊下の両側などに置かれた、貴重な古書に目を奪われます。その中には、表紙の皮を長くした聖書や、夏目漱石の袖珍版『吾輩は猫である』などの小口を覆った装丁本がいくつも。また祖父江さんが手がけた書籍でも、小口やノドなど本の「断面」にさまざまな工夫を凝らした本がたくさんあります。そんな本の「断面」のことを、実際の本を見せていただきながら伺います。

もうおひとりは、以前『デザインのひきだし』に登場していただき、「小口絵」を紹介していただいた、文生書院の小沼良成さん。小口絵とは、中世イギリスの愛好家の間で盛んになった、隠れた芸術とも言えるもので、一見すると本の小口(断面)に箔押し加工をほどした、金付け(三方金加工)本のように見えるが、ページを斜めに傾けると突如として美しい絵柄が現れてくるもの。日本随一の小口絵コレクションを保有する小沼さんに、その実物を見せていただきながら小口絵のお話を伺います。

そして本誌編集者の津田からは、今回のパルプモールドでつくられた箱のような表紙がどうやってできたのかをご紹介します。試作品や、本番時のものでもプレス前のものなど、本誌内でもご紹介できなかったものや、パルプモールドの動画などもお見せしながら、箱に入って本の小口を守っているかのような表紙についてご紹介します。また津田は小口装飾大好きで、小口塗装や小口印刷、三方金や刻印入り三方金など、さまざまな本を守っているため、それら小口装飾の素晴らしい書籍もお見せします。
と、こんな風に本の小口やノドといった、断面に執着したマニアックなお話ですが、ぜひみなさんお越しください。

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左の黒い本から古い聖書、夏目漱石『吾輩は猫である』の袖珍版、そして『デザインのひきだし33』を前に本誌を読む祖父江慎さん

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『詩集』アルフレッド・テニソン著/ロンドン/1913年刊。小口部分と天地の三方にわたり、若い女性の肖像が描かれている。文生書院所蔵。

【プロフィール】
祖父江慎
アートディレクター、ブックデザイナー。1959年愛知県生まれ。79年多摩美術大学入学。90年Cozfish 設立、93年法人化、代表に。ブックデザインを中心に、並外れた「うっとり力」を持って多方面で活躍。今までの仕事をまとめた『祖父江慎+cozfish』(パイインターナショナル)発売中。

小沼良成
文生書院は小沼さんのお父上が1930年に創業。1944年に文京区本郷に居を移し営業を開始した古書卸売業&出版社。学術書や専門書のバックナンバーを扱い、出版も行う。文生書院デジタルライブラリーというオンデマンド出版にも力を入れている。

日程 / 2018年2月17日 (土)
時間 / 19:00~20:30 開場 18:30~
料金 / 1,350円(税込)
定員 / 110名様
会場 / 本店 大教室
お問合せ先 / 青山ブックセンター 本店
電話 / 03-5485-5511
受付時間 / 10:00~22:00

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