芸大・美大受験の象徴とも言われる石膏像が日本に到来したのが19世紀後半。
以降、日本では100年以上にわたって「美術の勉強をするならまずは石膏デッサン」という状況が続き、今日でも石膏デッサンの功罪を語る議論は終わっていません。
青山ブックセンターでは、『石膏デッサンの100年――石膏像から学ぶ美術教育史』の出版を記念し、著者である荒木慎也と、1月に千葉市美術館の個展『不完全――パラレルな日本美術史』で石膏像を使用した新作インスタレーションを発表した小沢剛の2人を迎え、石膏像と美術教育にまつわるトークイベントを開催します。
本イベントでは、『石膏デッサンの100年』の内容を振り返りながら、世界や日本の美術教育、現代の石膏像が置かれた状況、石膏像のアートへの活用方法などについて、議論を行います。また、小沢の新作『不完全』について、荒木から小沢へのインタビューを行いつつ、作品と展覧会を振り返ります。
近年、一部の美術関係者の間で盛り上がりつつある石膏デッサン研究の最前線に触れる機会に、ぜひご来場下さい。
【プロフィール】
荒木慎也(あらき しんや)
1977年名古屋生まれ。東京藝術大学美術学部芸術学科卒業。東京大学大学院総合文化研究科博士課程単位取得退学。2013年に博士(学術)。東京大学教養学部国際ジャーナリズム寄付講座特任助教を経て、現在は成城大学、多摩美術大学、武蔵大学非常勤講師。専門は近現代美術史、美術教育学。主著に『石膏デッサンの100年―石膏像から学ぶ美術教育史』(アートダイバー、2018年)。
小沢剛(おざわ つよし)
1965年東京生まれ。東京芸術大学在学中から、風景の中に自作の地蔵を建立し、写真に収める《地蔵建立》開始。ほかにも《なすび画廊》《相談芸術》《醤油画資料館》《ベジタブル・ウェポン》といった作品シリーズを展開。主な展覧会は、「同時に答えろYesとNo!」(森美術館、2004年)、「透明ランナーは走りつづける」(広島市現代美術館、09年)、「不完全――パラレルな日本美術史」(千葉市美術館、2018年)など。
日程 / 2018年4月27日 (金)
時間 / 19:00〜20:30 開場 18:30〜
料金 / 1,350円(税込)
定員 / 50名
会場 / 本店内 小教室
お問合せ先 / 青山ブックセンター 本店
電話 / 03-5485-5511
受付時間 / 10:00~22:00