小津・黒澤・溝口からハリウッド映画、さらにゴジラまで多彩に論じた本邦初の本格的リメイク映画論『リメイク映画の創造力』が好評発売中です。本書は、映画研究の最前線を走る執筆陣に加えて、映画監督の塚本晋也さん、東宝プロデューサーの市川南さんへのインタビューも収め、時代/国境を越えて再創造される映画のダイナミズムをひもとき「映画を観る」という身体経験を問い直す試みです。
このたび、本書に関わった渡邉大輔さんと北村匡平さんをお招きし、「映画の(再)創造力」をめぐって語っていただきます。
ひとくちに映画といっても、作り手がゼロから作りあげていく作品もあれば、すでに原作小説/漫画/テレビドラマがあったり、リメイク映画のように既存の原作映画があったり、あるいは現実の出来事が映画化されたり、……さまざまな題材をもとに作られます。けれども、「リメイク」「アダプテーション(翻案)」という言葉は知られていても、それが映画製作/鑑賞にとって何なのかということは、今までほとんど語られてきませんでした。
なぜ映画はリメイクされるのか? なぜ私たちは、過去作の「焼き直し」なのにそこそこ楽しめてしまうのか? なぜ映画を観たあとで原作を読みたくなってしまうのか? なぜ「原作に忠実」だとうれしいのか?……などなど、素朴ながらも重要な問いを考えていきたいと思います。
現在そして未来の映画研究をリードする俊英が、「映画を観る」体験のみならず「映画を作る」運動性をも追いかけながら、ゼロ年代以降の映画も視野に入れ、ダイナミックかつクリエイティヴな映画の味わい方を提案します。
渡邉大輔(わたなべ・だいすけ)
跡見学園女子大学文学部専任講師、日本大学芸術学部非常勤講師。著書に、『イメージの進行形――ソーシャル時代の映画と映像文化』(人文書院)など、近刊に、『日本探偵小説を知る――150年の愉悦』(共著、北海道大学出版会)、『日本戦前映画論集――映画理論の再発見』(共著、ゆまに書房)がある。『ゲンロンβ』での連載をはじめ、映画にとどまらないメディア全般をめぐって縦横無尽の批評活動を展開中。
北村匡平(きたむら・きょうへい)
東京工業大学リベラルアーツ研究教育院准教授、成城大学・都留文科大学非常勤講師。日本映画における女優の表象に注目し、同時代の文脈において原節子と京マチ子を論じた初の単著『スター女優の文化社会学――戦後日本が欲望した聖女と魔女』(作品社)が大きな話題を呼んでいる。
時間 _ 20:00~22:00 (19:30開場)
場所 _ 本屋B&B
東京都世田谷区北沢2-5-2 ビッグベンB1F
入場料 _
■前売1,500yen + 1 drink order
■当日2,000yen + 1 drink order(当日現金でお支払いの場合のみ)