「働きすぎの僕らには《休養》が必要だ!」と息巻き、3人の男(+1匹の犬)が一艘のボートでテムズ河を遡る旅に出る――そんな設定だけでもなんだか笑えてしまいませんか?
すでに230作以上を刊行している光文社古典新訳文庫の中でも、「笑える文学」は数えるほどしかありません。「悲劇的作品」と比べると、「喜劇的作品」が時代を超えて読み継がれるのは意外と難しいのかもしれません。そんな逆風もなんのその、世界中で100年以上も読み継がれてきたのが、今年4月に刊行されたジェローム・K・ジェローム『ボートの三人男 もちろん犬も』。時にはっとするほど美しい情景描写もある紀行文学でもありながら、全篇を通して読みながらニヤニヤしてしまうユーモア小説の傑作です。英国で19世紀に書かれた物語なのに、登場人物たちのとぼけた言動は、なんだか身近な人のもののように感じてしまいます。
今回の読書会では、翻訳者の小山太一さんをお招きし、本作が成立した背景、著者の知られざる人となり、そして読みどころ・笑いどころまで、たっぷりと語っていただきます。
(聞き手:光文社古典新訳文庫・創刊編集長 駒井稔)
光文社古典新訳文庫が紀伊國屋書店電子書店KINOPPYとコラボレーションして開催するReaders Club読書会(Reading Session)、第41回です。
○日時:2018年5月28日(月)18:30~ (開場18:15)
○場所:紀伊國屋書店新宿本店 9階イベントスペース
○定員:50名
○参加費:無料
○参加方法:2018年5月11日(金)午前10:00時より2階レジカウンターにてご予約を承ります。お電話でのご予約も同日より承ります。
○お問い合わせ 新宿本店2階カウンター 03-3354-5702
*イベントは1時間30分~2時間程度を予定しております。トーク終了後ご希望の方には講師の著書・翻訳書にサインをお入れします。
*19:30以降の入場はお断りさせて頂く場合がございます。あらかじめご了承ください。
講師紹介:小山太一(こやま・たいち)
英文学者、翻訳家。東京大学文学部英文科卒業後、同大学院修士課程、ケント大学大学院博士課程を修了。和洋女子大学講師、専修大学教授などを経て、現在立教大学文学部教授。訳書に『アムステルダム』(マキューアン)、〈ジーヴズの事件簿〉シリーズ(ウッドハウス、岩永正勝と共訳)、『V.』(ピンチョン、佐藤良明と共訳)、『自負と偏見』(オースティン)など多数。