2017年11月、ポーランド、そして19世紀ヨーロッパを代表する大作、ボレスワフ・プルス著『人形』がついに邦訳されました。日本語訳で1200頁を越える魅惑の大長編は、そのヴィジュアルのインパクトも相俟って、刊行直後からSNSを中心に大きな話題となり、2018年2月には第69回「読売文学賞 研究・翻訳賞」(2017年度)を受賞、その勢いはさらに加速し、同年4月には、第4回「日本翻訳大賞」を受賞しました。2018年上半期、最も注目を集めた翻訳書といっても過言ではありません。
この良い機会に、長い年月をかけて『人形』の翻訳を終えられた関口時正さんと、「日本翻訳大賞」で選考委員を務められている柴田元幸さんをお招きし、東欧と英米、普段は別のフィールドの第一線でご活躍のお二人の夢の顔合わせによるトークショーが実現しました。なぜ「日本翻訳大賞」に『人形』を選んだのか、19世紀ヨーロッパ、ポーランドといった時空間の特殊性、読者にぜひ伝えたい情報や苦労話など、お二人でなければ語られない〈世界文学〉の空間に、みなさまをご招待します。どうぞ、ご期待ください。
【プロフィール】
関口時正(せきぐち ときまさ)
東京生まれ。東京大学仏文科卒、同大学院比較文化修士課程修了。ポーランド政府給費留学(1974~1976、クラクフ大)。東京工大、熊本大専任教員(比較文学など)。ワルシャワ大、イェール大客員フェロウ。東京外国語大学専任教員(1992~ポーランド文化。2013年早期退職)。著書に『ポーランドと他者』(みすず書房)、Eseje nie całkiem polskie (Universitas刊。仮邦題『完全にポーランド的というわけではないエッセイ集』)、訳書に J. コハノフスキ著『挽歌』、A. ミツキェーヴィチ著『バラードとロマンス』、S. I. ヴィトキェーヴィチ著『ヴィトカツィの戯曲四篇』、ボレスワフ・プルス著『人形』(以上、未知谷)、J. イヴァシュキェヴィッチ著『尼僧ヨアンナ』(岩波文庫)、J. コット著『ヤン・コット 私の物語』(みすず書房)、C. ミウォシュ著『ポーランド文学史』(共訳、未知谷)、『ショパン全書簡1816~1830年――ポーランド時代』(共訳、岩波書店)、S. レム著『主の変容病院・挑発』(国書刊行会)など。
柴田元幸(しばた もとゆき)
翻訳家、東京大学名誉教授。ポール・オースター、レベッカ・ブラウン、スティーヴン・ミルハウザー、スチュアート・ダイベック、スティーヴ・エリクソンなど、現代アメリカ文学を数多く翻訳。2010年、トマス・ピンチョン『メイスン&ディクスン』(新潮社)で日本翻訳文化賞を受賞。最近の翻訳に、ジャック・ロンドン『犬物語』(スイッチ・パブリッシング)、レアード・ハント『ネバーホーム』(朝日新聞出版)、マーク・トウェイン『ハックルベリー・フィンの冒けん』(研究社)、編訳書にレアード・ハント『英文創作教室 Writing Your Own Stories』(研究社)など。文芸誌『MONKEY』 責任編集。2017年、早稲田大学坪内逍遙大賞を受賞。日本翻訳大賞選考委員。
日程 / 2018年6月3日 (日)
時間 / 18:00~19:30 開場 17:30~
料金 / 1,350円(税込)
定員 / 110名様
会場 / 本店 大教室
お問合せ先 / 青山ブックセンター 本店
電話 / 03-5485-5511
受付時間 / 10:00~22:00