2015年3月6日(金)

『談 100号記念選集』トークショー 河本英夫さん×十川幸司さん

哲学は、個々人の経験のなかでそれぞれの人の能力を発揮しやすくし、いまだ本人の気づいていない能力の発現に寄与し、それを通じて常に自分自身を超えていくようなプロセスの可能性を提示し続けることを課題とします。

自ら、自身の身の丈を超えたものへと向かって、それへのプロセスがまるで副産物のような形となったものが、まさにその人の哲学といえます。

河本さんは、「哲学とは、最終的には、その課題に踏み出し続けることだ」と話しています。

哲学を臨床・実践の知へとバージョンアップさせることに腐心する哲学者と精神分析家の「再生」をめぐる徹底討議です。

※『談』no.76(2006)でお2人は「情動の回路」をテーマに対談していますが、今回はその続編です。

『談』は、「時代とともに変化する社会の大きな流れを読み解き次の時代を生きる価値観を模索する」ために、人間の嗜好、人間の欲求、人間の価値観の変化について、100号にわたり語り合ってきましたが、なかでも、その中核にあるのが、「いのち」をめぐる議論でした。

『談 100号記念選集』刊行を記念して、「アフター・ザ・ニューヴィジョン……人間の未来、ものの将来」をテーマに、いのちとは何か、生命とは何か、そしていのちが集まってつくりだされる社会とは何か、その根源にまで遡り、論究します。

※タイトルのアフター・ザ・ニューヴィジョンは、バウハウスの理論書であり近代主義のコンセプトを提示したL・モホリ=ナギの著書によっている。モダン>ポストモダン>ポストポストモダンときて、その次にくるものという意味。

河本英夫(かわもと・ひでお)

東洋大学文学部教授/システムデザイン。著書に『損傷したシステムはいかに創発・再生するか オートポイエーシスの第五領域』 (新曜社、2014)、『〈わたし〉の哲学』 (角川選書、2014)他

十川幸司(とがわ・こうじ)

精神分析家・精神科医。著書に『来るべき精神分析のプログラム』 (講談社選書メチエ、2008)、『精神分析(思考のフロンティア)』 (岩波書店、2003)他

第2夜 池田清彦×春日武彦 「いのちのゆらぎ…生と死の往還」

  • 出演 _

    河本英夫(東洋大学文学部教授/システムデザイン)
    十川幸司(精神分析家、精神科医)
    司会:佐藤真(『談』編集長)

  • 時間 _

    20:00~22:00 (19:30開場)

  • 場所 _

    本屋B&B
    世田谷区北沢2-12-4 第2マツヤビル2F

  • 入場料 _

    1500yen + 1 drink order

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