フランス軍がドイツ軍の電撃戦の前に敗走を重ねるなか、無益かつ危険きわまりない偵察飛行任務を命じられた「私」。路上に溢れる避難民を眼下に目撃し、容赦ない対空砲火に晒されるうち……
『ちいさな王子』『夜間飛行』で有名なサン゠テグジュペリが第二次世界大戦中の実体験を元に、困難な飛行任務をリアルかつ思索的に描き、独自の哲学へと発展させた傑作、それが『戦う操縦士』です。発売されるや、ヒトラーの『我が闘争』に対する民主主義からの返答と評されてベストセラーとなった本書ですが、そこに描かれた戦う者の思い、人間の存在と死の意味への問いかけは、いまでも、そしていまだからこそ、本書を読む者の胸に響きます。
その後、ふたたび敢然と飛行機に乗り込んで参戦し、戦死を遂げたと見られるサン゠テグジュペリ。彼の生き方と、彼の物語は、私たちに何を伝えているのでしょうか。今回の読書会では『戦う操縦士』の翻訳者でフランス文学者の鈴木雅生さんをお招きし、本書の魅力についてたっぷり語って頂きます。
(聞き手:光文社古典新訳文庫・創刊編集長 駒井稔)
光文社古典新訳文庫が紀伊國屋書店電子書店KINOPPYとコラボレーションして開催するReaders Club読書会(Reading Session)、第43回です。
○日時:2018年7月19日(木)18:30~ (開場18:15)
○場所:紀伊國屋書店新宿本店 9階イベントスペース
○定員:50名
○参加費:無料
○参加方法:2018年7月6日(金)午前10:00より2階レジカウンターにてご予約を承ります。お電話でのご予約も同日より承ります。
○お問い合わせ 新宿本店2階カウンター 03-3354-5702
*イベントは1時間30分~2時間程度を予定しております。トーク終了後ご希望の方には講師の著書・翻訳書にサインをお入れします。
*19:30以降の入場はお断りさせて頂く場合がございます。あらかじめご了承ください。
講師紹介:
鈴木雅生(すずき・まさお)
1971年生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程満期退学、パリ第四大学博士。学習院大学文学部教授。共著書に『フランス文化事典』、『フランス文化読本』。訳書に『ポールとヴィルジニー』(ベルナルダン・ド・サン゠ピエール)、『地上の見知らぬ少年』(ル・クレジオ、第16回日仏翻訳文学賞)、『きびしい冬』(クノー)など。